高縁 心 砂粒子配向性が三軸試験による液状化強度におよぼす影響 豊田 浩史  砂地盤は,粒子形状や粒子間接触状態に大きく依存して力学特性が変化する.なかでも粒子配向性は,せん断変形時の滑動方向を支配し,強度発現の異方性や液状化強度に影響する要因として注目されている.既往研究では,任意の配向角を与えた試料を対象とした三軸試験により,配向角が圧縮強度や液状化強度に与える影響について検討した.これらは,固有(堆積構造)異方性の影響である.しかしながら,粒子配向性(堆積構造)をもたない等方的な試料の力学特性も基礎研究として興味深い.また,自然界においても,水や風により堆積した地盤と違い,岩が風化してできた地盤は明確な配向性を持たない可能性もある.このような試料をランダム配向試料と呼ぶ.ランダム配向試料を作製するため,細い棒を堆積した砂試料に複数回突き刺して粒子配向性を乱す方法(ここではSM法と表記)を用いた.本研究では,配向角0°・45°・90°に制御した供試体と(AP供試体と表記),SM法で作製した供試体で,粒子配向性と力学特性を比較した.得られた主な結果を以下に示す. (1) SM法を用いることで,粒子配向性がなくなり,ランダムな配向状態になることを,マイクロスコープを用いた画像解析と三軸試験結果により確認した. (2) AP供試体では,単調圧縮強度は0°>45°>90°の関係を示し,0°と90°で顕著な差が生じた.一方,SM供試体の強度は45°AP供試体結果近傍に位置し,配向に起因する力学特性異方性が低減される傾向が確認された. (3) AP供試体の液状化強度は90°>45°>0°となり,単調圧縮強度とは順番が逆転した.SM供試体の液状化強度は0°と90°の中間で,45°AP供試体の液状化強度に近い値を示した.