佐藤 朋也 自律型海洋観測装置による佐渡周辺海域の海洋特性の把握 犬飼直之 現在,日本では洋上風力発電が,再生可能エネルギーの主力電源化の切り札として期待されている. また,新潟県付近では村上市・胎内市沖が再エネ海域利用法によって,風力発電の促進区域に認定され,着床式風車の設置事業が進められている.新潟県沖の海上風は,年平均風速6?8m/sの海域が大半を占めており,村上市・胎内市沖以外にも洋上風力発電に好条件の海域がある可能性が高い. そこで,本研究では洋上風力発電に好条件であると考えられる海域の1つである新潟県佐渡島沖に着目して,この海域の気象・海象特性を詳細に把握することを目的としている.新潟県佐渡島沖の海域は,海上保安庁がAOV(のどぐろ)を用いて気象・海象観測を実施しているため,その観測データからこの海域の気象・海象特性を把握することとした. 佐渡沖の海上風は概ね風速10m/s程度であり,洋上風力発電が可能な風速であり,WNW,NE,SWからの風向時に風速増大することがわかった.また,風速が増大後の半日程度で流速が増大していた. 佐渡沖の流速は全層で平均0.4m/s程度であり,最大で0.6m/s程度になることがわかった.水層付近と下層で流況が異なることがあり,浮体式の構造物を設置した場合,表面と下層で異なる力を受ける可能性が考えられる. 台風接近・通過時は風向がゆっくりと変化し,低気圧の場合は風向は急激に変化していた.台風・低気圧の接近・通過時に表面流速・波高・風速が増大していることが分かった.しかし,低気圧の急激な通過時には流速増大しない場合もあった.特に低気圧の通過時には急激な変化が発生する恐れがある.海上風速の変化の約8時間後に波高は影響を強く受けることがわかった. 新潟市沖の国土交通省の波浪観測所(Nowphas新潟)の波高観測データを約1.6倍すると佐渡島沖付近の波高となることを導くことができた. 今後の展望として,今回の研究で得た近似直線や波高比率などの知見を用いて佐渡沖の洋上風力発電適正についてより詳細に研究していく必要がある.