近藤聡 土粒子の損傷が222Rn溶出量に及ぼす影響の評価 太田朋子  本研究は,土粒子の損傷が地下水中への222Rn溶出量に及ぼす影響を定量的に評価することを目的にしたものである.ラドン(222Rn)はウラン系列に属する放射性希ガスであり,地盤材料中のラジウム(22?Rn)の壊変により生成される.地下水中の222Rn濃度は地震前兆現象との関連が指摘されており,その溶出メカニズムの解明は地盤工学分野及び防災分野において重要である.先行研究では三軸試験装置を用いて応力履歴と222Rn溶出量の関係が検討されてきたが,詳細な222Rnの溶出メカニズムは未解明な部分が多い.特に試験の特性上,土粒子の損傷部位と222溶出との関係を直接的に評価することは困難である.  そこで本研究では,一面せん断試験装置を用いて豊浦砂及び花崗岩細礫にせん断損傷を与え,粒子葉面及び内部構造の変化をSEM及びX線CTにより観察した.さらに粒度分布測定により粒度変化を把握し,試験後に採取した試料から222Rn溶出量を測定した.その結果,花崗岩細礫においては間隙比が小さい,垂直応力が大きいほど,222Rn溶出量が増加する傾向が確認された.また,粒子内部のクラック数,特に新規に発生したクラック数と溶出量との間に正の相関が確認できた.垂直応力が高いケースでは粒子破砕が進行し細粒分が増加しており,比表面積の増大が溶出量促進に寄与したと考えられる.  以上より,粒子損傷,特に内部クラックの発生,進展が222Rn溶出挙動に重要な影響を与えることが明らかとなった.