ISLAM MD RABIUL 液状化抵抗に及ぼす砂の堆積角の影響 豊田浩史 本研究では,土粒子配向性の液状化抵抗への影響を検討した.液状化による社会基盤構造物への被害は甚大なため,地震国にとっては,液状化問題は大変重要な課題となる.飽和砂は,非排水繰返し載荷により,強度やせん断剛性率を失う.ゆるい砂において,様々な粒子配向性(0°, 45°, 90°)を持つ供試体を作製した.このような供試体が,液状化抵抗やせん断剛性にどのような影響を与えるか調べるために,三軸試験を実施した.さらに,初期せん断剛性率を求めるため,ベンダーエレメント試験も実施した.本研究の目的は,粒子配向性と液状化抵抗との関係,また,液状化時の粒子配向性の変化について調べることである.液状化前,初期せん断剛性率は,配向角が大きいほど大きくなった.液状化抵抗においても同じ傾向,つまり,液状化抵抗は配向角が大きいと大きくなった.つまり,非排水三軸繰返し載荷において,大きな配向角が液状化に対して安定した堆積構造であるといえる.再液状化抵抗は,0° と 45° の配向角においては,液状化強度より増加したが,90°の供試体においては,減少した.マイクロスコープを用いた粒子配向角の読み取りより,液状化により,0° と 45° の配向角は90°に近づく傾向が見られたが,90°の供試体は,90°への集中度が減少する傾向であった.本研究により,液状化履歴を有する地盤において,堆積構造の考慮が必要であることが示された.