松本凌太朗 主応力方向を考慮した液状化試験手法の開発 豊田浩史  粒子配向性を持つ供試体に対して,三軸試験と振動台試験で液状化試験を実施した結果,液状化強度の傾向が逆転する結果が得られた.これは,載荷手法の違いが影響していると考えられる.異方性の影響を正確に評価するためには,粒子配向性と主応力方向を考慮した繰返し載荷が必要だと考えられる.三軸試験では,主応力方向が鉛直か水平に限られるため,粒子配向性を様々な方向に変化させて試験をする必要がある.そこで本研究では,中空ねじりせん断試験装置を用いて,同じ配向性の供試体に対して,主応力方向を自由に変化させられる液状化試験の開発を行った.  4つの外力を供試体に作用させることができる試験機の性質から,次の4つの試験条件を設定した:一定ひずみ速度での載荷,主応力方向一定,中間主応力係数一定,平均全応力一定.機械制御を行う上で大きな負担になると考えられる平均主応力一定の制御を中空外圧一定に変更して制御を行い,結果の比較を行った.実験では豊浦砂を用いた.  本研究により,以下の知見が得られた.  1. 中空ねじりせん断試験装置で,主応力方向aと中間主応力係数bを制御できる液状化試験を行うことできた。  2. 制御条件として,平均主応力一定より,中空外圧一定で制御する方が,値の変動が少ない,スムーズな制御が可能で、よりなめらかなデータが得られることがわかった.  3. 原位置の状態に最も近いと考えられる単純せん断状態で単調載荷を行ったところ,bは0.25に収束した.  4. 主応力方向が大きくなるほど非排水強度が小さくなると推測できる.