CHAVEZ GARCIA CARLOS ALAIN 三軸液状化試験により変化する砂粒子配向性と液状化強度の関係 豊田 浩史 液状化の要因として,密度や年代効果については様々な検討が行われ,異方性については砂の強度特性に対して研究が行われている.しかしながら,異方性が液状化強度に与える影響については明らかになっていないのが現状である.そこで本研究では,砂の液状化抵抗と粒子配向性の関係を明らかにすることを目的とする.砂粒子の配向を 0°(水平粒子),45°,90°(鉛直粒子)として,傾斜式モールドにより供試体を作製した.実際の粒子配向性は,作製した供試体の粒子配向性をマイクロスコープにより読み取った.液状化前後の粒子配向性を読み取るためには,液状化前後で異なる供試体を作製する必要があり,合計6ケー スの供試体を作製した.各ケースにおいて約500粒の粒子配向性を測定した.なお,粒子は0°≦𝜃≦180°の範囲で読み取っている. 供試体は豊浦砂で作製し,力学特性把握として,三軸試験により液状化試験,局所微小ひずみ試験,ベンダーエレメント試験を行った.マイクロスコープによる粒子配向性読み取りより,0°と45°のケースにおいて液状化後に粒子配向が90°付近へ近づいた.また,90°のケースでは,液状化後に90°付近の粒子数が減ることが確認できた.液状化強度試験結果より,液状化時に90°の粒子配向は0°の配向より液状化強度が大きくなった.再液状化強度は,0°と45°のケースでは上昇したが,90°のケースでは低下した.その理由は,再液状化時に90°の砂粒子が増えるのか減るのかである程度説明可能である.ベンダーエレメント試験結果により,液状化前にせん断剛性率は堆積角度 0°,45°,90°の順に大きくなった.また,液状化後のせん断剛性率は,液状化強度と同じ傾向で,0°と45°のケースでは上昇し,90°のケースでは少し減少した.これで液状化強度とせん断剛性率に強い相関があることが確認できた.