LAOLUE CHERXIONG 透明地盤実験における材料の組み合わせの検証 福元 豊 内部浸食は浸透流によって土構造物内部の土粒子が浸透流とともに様々に流亡する現象である。しかし、内部侵食現象は地盤内部で発生するため、被害の状況を直接的に観察することができない。これまでに地盤の内部侵食に対する研究はアクリル球とシリコンオイルを材料として直接的に観察することができない内部の浸透流を可視化させ、浸透流の特徴を把握する研究等があった。しかし、シリコンオイルは水に比べると粘性が高いため、実現象に近い実験を行う必要がある。そこで、本研究では透明土(屈折率マッチング手法)を用い、対象物の屈折率と対象物を浸す液体の屈折率を近づけることで,光の反射を防ぎ,通常は見ることのできない内部を可視化する方法で、ハイドロゲル球と水を材料として地盤内部侵食の浸透流を可視化させ、透明地盤実験を行った。多孔質体の特徴を示す屈曲度Tと浸透流のレイノルズ数に着目し、簡易的な模型実験を通して、より実現象に最も近い材料の組合わせを検討した。また、新たに攪拌される個体の観察を実施するため、材料の透明度の検討を目的としている。 実験の結果として、浸透流地盤実験では水とハイドロゲル球を用いた透明地盤実験を行い、間隙中の浸透の水理的屈曲度に着目し材料の組み合わせの精度を検討でき、大きなレイノルズ数の条件まで計測できた。ハイドロゲル球は非常に柔らかく変形しやすいため、粒子間の間隙を埋めてしまうことで、観察や解析の精度が低くなることが確認できた。攪拌実験では、攪拌実験に利用された流動パラフィン「P40とP55」の混合したことで、P40と屈折率の関係を確認することができ、石英ガラスと流動パラフィンの組み合わせで透明地盤実験の最も高い透明度を探すことが検討できた。 今後の展望として、浸透流地盤実験ではハイドロゲル球が柔らかく変形しやすいため、実験精度が落ちる結果が得られた。それでハイドロゲル球の粒径がもっと大きいものを利用して実験を行い、実験の精度が高くなることができる。カメラを1台のみ利用したため、二次元での観察となったが、カメラを2台利用することで三次元での観察を行う。攪拌実験では解析画像の下側に大きなベクトルが集中することが確認できたが、上側のベクトルには大きな変化が確認できなかった部分がある。それで上部のベクトルの変化もわかるように撮影方法を研究していく。