角藤晴華 機械学習に基づく画像認識を用いた冬期高速道路の路面状況判別 佐野可寸志, 加藤 哲平 近年,大雪や雪による通行止めや大規模滞留などの交通障害が発生している.交通障害の予防には,除雪作業の効率化が効果的である.しかし、現在の除雪作業は主に感覚的な指標に依拠しており、具体的な定量的な指標が不足してる. 本研究では画像から定量的かつ包括的に道路の状態を把握することで除雪活動や走行時の指標としての活用を目指す. 既往研究では,様々な手法によって積雪量の推定が行われているが,教師データの作成に作成者の主観を用いた雪堤が高い・低いといった評価がされていることや,推定区分が広く設定されている.よって,本研究では積雪量を道路上に設置されているがガードレール等を指標として定量的に判定する.本研究では,機械学習の中でも,ディープラーニングの畳み込みニューラルネットワーク(以下:CNN)を用いる.高速道路上(関越道下り:175.2KP)に設置されている1分間隔で撮影された画像データを用いる.データセットは教師データ7割・検証用データ2割・テストデータ1割とする.  路肩部の推定には路肩に設置されているガードレールを指標とし,6区分に分けて推定を行った.全ての区分において100%の推定を行うことが出来た.(図-1)路肩部分では,走行している車両の影響を受けないことから,推定が容易で合ったと考えられる.  中央部の推定には中分部に設置されているガードレールを指標とし,5区分に分けて推定を行った.走行車両によって,中央部のガードレールが確認できない場合において解析不可とした.その区分において判定率が低かったが,その他の区分においては,95%以上の推定結果となった.  路面状態の推定には高速道路運用時に使用されている指標を元に6区分に分け,推定を行った.湿潤・乾燥・黒シャーベットの区分において推定結果を得ることが出来たが,解析不可・白シャーベット・積雪路面においてよい結果を得ることが出来なかった.白シャーベット・積雪路面において推定精度が悪い原因として,目視でも白シャーベット・積雪路面の判定が難しいことから,教師データに誤りがあった可能性や教師データが極端に少ないことが原因として考えられる.  画像解析によって,幅員の解析を精密に行う方法について検討した.本研究では,CCTV画像のRGB画像をグレースケールに変換し、白色に近いピクセルを特定し閾値処理によって舗装路面である黒い路面を判定する.黒い部分のピクセル数を測定し,実際の長さに変換することで,幅員の長さを推定する. 積雪量や画角変化時等において解析を行ったが,目視では解析が行われていると判断することができる.しかし,実際に測定し,本研究での測定結果が妥当であるか確認する必要がある.