神子島 百香 レジカウントデータを使用した道の駅わしまの集客要因の分析 佐野 可寸志  道の駅は「拠点」としての役割が期待されており,「拠点化」には道の駅に人が集まることが重要だと考える.本研究では,道の駅「良寛の里わしま」を対象とし,集客要因をコロナ禍の影響も踏まえ,明らかにすることを目的とした.また,道の駅の集客に影響する要因から,今後の道の駅の集客を増加させる方法に関する知見を得ることを目的とした.  本研究では,2017年4月1日~2022年3月31日のレジカウントデータデータを使用し,1日毎のレジ客数を算出し,このレジ客数を道の駅の集客人数とし,分析をした.  はじめに,レジ客数および売り上げ構成を確認した.その結果,2020年度はコロナ禍の影響でレジ客数が平年より30%程度減少しているが2021年度には回復傾向であることが明らかとなった.また,道の駅のレジ客数は5月及び8月から10月が年平均を50%程度上回り,12月から3月は50%程度下回ることが確認でき,レジ客数は季節によって約100%変化することが明らかとなった.そして売り上げ構成から,コロナ禍の影響を受けてテイクアウトの需要が高まっており,道の駅で食事をする人の割合が低下していることが明らかとなった.  次に,重回帰分析による集客要因の分析を行った.その結果,平均気温が高い日や休日はレジ客数が増加し,雨天時・積雪時はレジ客数が減少することが明らかになった.また,道の駅で開催するイベントには集客効果があり,周辺地域で開催されているイベントの約2倍レジ客数に影響することが明らかになった.天候や曜日によるレジ客数の変化は予測が難しいため,道の駅の集客増加には,イベントが効果的であると考える.  次に,イベント開催時と非開催時のレジ客数を比較した.その結果,開催時は時期によらず10%~30%程度レジ客数が増加することが明らかとなり,イベントには十分な集客効果があることがわかった.  加えて,イベント参加者に対しアンケート調査を行った.その結果から,事前にイベントの情報を入手している参加者は少ないことがわかった.また,参加者からは広報の強化による参加者の増加を求められていることがわかった.  以上より,今後はコロナ禍の影響を踏まえ,テイクアウト等気軽に食べられる商品の積極的販売やイベント回数の増加,SNS等を活用した広範囲への周知を行うことで集客を増加させることが可能であると考える.