今井勇魚 ドローンLiDAR点群を用いた林内光環境の推定に関する研究 高橋一義准教授 林野庁によると,森林は多面的な機能を有しており,それらの機能を維持するために森林整備を行っている.森林整備を行う際に,どの程度の効果が得られているのかを知るために,モニタリング調査を行っている.モニタリング調査の内容の一部に林内の光環境の調査が行われており,その調査を,ドローンLiDAR点群を用いれば,広い範囲を効率的かつ安全に測定が可能だと考えられる.そのため,ドローンLiDAR点群で林内光環境の推定が可能か検討を行った. 新潟県小千谷市の五辺の水辺を対象領域とし,360度カメラを用いて,開空率の測定を行った.同様の領域で,ドローンLiDAR点群の測定を行った.LiDAR点群をもとに,開空率を算出する際の考え方と同様の考え方で,開空度指数の算出を行う.この2つのデータをもとに,実測値である,開空率と.算出された,開空度指数との差が小さい場合,ドローンLiDAR点群による,林内光環境の推定は可能だと考えた. 開空度指数の算出方法を変化させ,開空率との相関関係を検討した.この時,LiDARレーザー光が天頂角60度の範囲より内にある場合,地面にレーザー光が到達していると考えたため,開空率の算出,および開空度指数の算出ともに天頂角60度範囲のデータをもとに検討を行った.結果としては,ドローンのピッチ角による影響は大きくなく,開空度指数の算出の際に定める,voxelサイズの影響によって,誤差の大きさが変化することが分かった.本研究ではvoxelサイズを0.01m,0.2m,0.5mと変化させ開空度指数の算出を行ったが,voxelサイズが0.5m の時に最も相関関係が高いことが分かった. 結論としては,ドローンLiDAR点群を用いることによって林内の光環境の推定は可能だといえる.しかし,適したvoxelサイズの検討,植生環境が違う場合での検討などが今後必要であると考えられる.