モバイルマッピングシステムによる除雪パトロールの効率化に関する検討 菅原和也 高橋一義 本研究はモバイルマッピングシステムによって除雪パトロールの効率化に寄与するデータが取得可能であるかを検討する。除雪業者の方にインタビューした内容を踏まえて、MMS で取得したデータに有用性があるかを確認する。大きな計測の流れとして、データの前処理、MMS で計測した積雪深の精度検証、無雪期との比較による積雪深計測、有効幅員の計測の4つを行った。データの前処理は、空中に存在する降雪粒子や樹木の点群を削除するための適正なパラメーターについて検討を行っている。降雪粒子は空中をボクセル化処理して点群分類することで削除することができた。断面結果に影響する樹木の点群の削除は、一定の高さを閾値をとして設定することで除去した。これらの結果を踏まえると、除雪パトロールは降雪しているときに行われることが多いため、ノイズとなる点群を削除できたことは効率化に寄与する結果を得ることができたと考えられる。次に行った内容は MMS で計測した積雪深を実測結果と比較することで精度検証をした。その結果、除雪パトロールの基準である 2~4cmという結果に至らなかったが5cm以内の誤差で計測することができたため、除雪パトロールを行うための方法として可能性があることが示唆された。無雪期との比較による断面計測は、連続した断面の取得をすることができた。無雪期との違いから雪堤高さの算出と地図上での可視化ができた。最後に、有効幅員の計測をし、無雪期と積雪期それぞれの有効幅員を算出し2時期の変化を確認できた。連続した断面や有効幅員の計測は除雪パトロールをするときに車内から目視で確認する内容であり、断面の高さや有効幅員について数値として計測することができたのは、除雪パトロールに寄与するデータが取得できたといえる。これら一連の処理を除雪パトロールという視点で検討した。そして、それぞれの処理が除雪パトロール効率化につながる結果で計測することができ、比較的高い精度でデータを得ることに成功した。今後は積雪深や有効幅員以外の除雪パトロールに寄与するデータの取得について検討が必要である。