プレブスレン ムングンツェツェグ セメント混合砂の再液状化に関する研究 豊田浩史  近年発生した地震において,過去に液状化が発生した地点と同じ地点で液状化現象が多数確認されている.それに伴いライフラインに多大な被害が発生した.  一般的には,液状化が発生することにより地盤内の水が排水され密になるため,強度は上がると考えられる.しかしながら,再液状化が確認された地点は,過去の地震よりも小さな地震を受けた地点であった.このことから,液状化を受けることにより,地盤のセメンテーションが破壊され,再液状化が発生しやすくなる可能性も考えられる.土の液状化強度に影響を与える要因としては密度や履歴効果,化学反応や年代効果などが考えられる.年代効果とは時間経過に伴って変形強度特性が変化する現象のことである.  本研究では,年代効果に着目する.そこで砂試料にセメントを微量添加することにより,セメンテーション効果を与え,年代効果を再現する.本研究の目的は,液状化による砂のセメンテーションの変化に着目し,年代効果再現試料の液状化特性,再液状化のメカニズムを解明することを目的とする.  本研究では2種類の液状化を定義した.まず,一つ目は平均有効応力p’=0kPaとなった時点を液状化と判断した.このとき,両振幅ひずみが1〜2%程度であり,液状化の程度は小さい場合と定義する.二つ目は,両振幅ひずみ5%に達した時点で液状化と判断し,液状化の程度は大きい場合と定義する.  以下に本研究によって得られた結論を以下に示す. 1) 液状化の程度が小さい場合は,セメント混合砂供試体の液状化強度より再液状化強度のほうが大きかったため,再液状化は起こりにくいと考えられる. 2) 液状化の程度が大きい場合は,液状化強度より再液状化強度のほうが小さいため再液状化は起こりやすいと考えられる.