サンチェス ロペス アレハンドロ オールシリカ及びアルミ含有ZSM-58ゼオライト膜の合成と分析 姫野修司 小松俊哉 この実験では、オールシリカゼオライト膜という構造中にシリカ及び酸素だけ存在すると呼ばれている膜、またはアルミ含有ゼオライト膜と呼ばれているシリカ、酸素だけではなくアルミも含まれている膜という2種類のZSM-58ゼオライト膜を合成させた。両方の膜の種類には60g / m2の合成量がおすすめとなっていた。 21本のオールシリカ膜のサンプルをSi / Al:∞、H2O:52、MTI:0.1、NaOH:0.1、SiO2:1のモル比条件で作製し、その合成を1〜5日間で行った。3日間の合成時間で、おすすめとなっている60g/m2の合成量に達成することができた。また、サンプルの合成量が一般的に少なかったため、ゼオライトの支持層が薄くなり、RTPに耐えるのに十分な強度がなくなり、オゾン焼成だけを行った。1つのサンプルの合成量が多く(146g / m2)、DOHゼオライトが形成し、パーミアンス特性を悪化してしまった。オールシリカ膜中で一番高かったα比(パーミアンスの効率を示す値)は2.5であり、おすすめとなっているα比100と比べたら非常に低いため、この膜の種類はガス分離に使用できないと考えられている。 ZSM-58 ゼオライト膜を改善するために膜にアルミを加えた。 29本のアルミ含有膜のサンプルを作製し、モル比条件をSi/Al:70、H2O:52、MTI:0.05、NaAlO2:0.014、KOH:0.05、SiO2:1に設定し、4〜5日間で行った。得られた合成量はばらつきが大きかったため、おすすめの合成量を得るための最適な合成時間を見つけることができなかったこと、アルミ含有膜はオールシリカ膜よりDOHゼオライトを形成したサンプルがあったこと、または44g/m2の合成量が少なくても、DOHゼオライトが形成しやすいということで、アルミ含有膜が不安定であると分かった。 また、アルミの追加により膜が高温に対して高い耐性が獲得でき、ゼオライト支持層がさらに厚くなったことで、RTPはオゾン処理よりMTIを焼成することに適切であった。 RTP及びオゾン焼成の使用により最高の25.7のα比を得ることができたが、そのα比がまだ低いため、まだ研究する必要があった。 そこでMTIのモル比を0.05から0.06に変更し、他のすべてのモル比を同じに保った。10本のサンプルを作成し、合成時間を4.5日~5日に設した。合成を4.5日間にしたら、合成量が60g/m2ではなく70g/m2で安定したため、アルミ含有膜に対し適切な合成量が70g/m2であると思われている。この膜でRTPの使用で最高の87.5のα比も得ることができ、アルミ含有膜にRTPが一番適切な焼成方法であると考えられている。 アルミ含有膜の合成のために達成したほうがいい合成量を見つけたこと、効率が高いパーミアンスのサンプルもできたことにより、膜の改善は成功であると言えるため、MTIモル比を0.06に設定にしたアルミ含有ZSM-58膜がガス分離に対し優れている技術になりえると期待されている。