BATSAIKHAN TSENGELMAA

構造物中のコンクリートの吸水特性の空間的分布に関する実験的研究

下村匠

本研究では，物質透過抵抗性の空間的差異に関する知見が少ないから，コンクリート構造物中の位置の違いによる物質透過抵抗性を吸水試験で把握することを目的とした．なぜかというと，コンクリート構造物はブリーディングとうか色んな問題によって，水密性が場所によって違い出ているため，これによって物質透過抵抗性にも違いが出ると考えたからである．
コンクリート構造物の位置の違いによって物質透過抵抗性に違いがあるかどうか確認するため，試験体の三つの違い場所から切り出して表面吸水試験を行った．吸水試験の時，ブリーディングの影響を確認するため，2つの配合を用いて試験体を二個作製した．試験体を柱供試体の長辺を高さ方向にして打設した．
本研究での吸水試験の結果から，以下のことが明らかとなった．コンクリートの物質透過抵抗性は位置によって異なり，打設面に近いほど低くなる．そして，ブリーディングが発生すると，コンクリート中の物質透過抵抗性の空間的差異が大きくなる．物質透過抵抗性は位置の違いよりも配合の違いによる影響が大きいというなどの結果が確認された．
次に，場所と配合の違いで空隙量にどれくらい差が出るかを確認するため，空隙量吸水試験の試験体を用いて，飽水時の質量と絶乾時の質量の差から空隙量を測定した．どちらの配合においても打設面に近い試験体の空隙量がほかの位置に比べて多いことが分かる．また，ブリーディングが発生した部分の空隙量が最も多かった．しかしながら，空間的差異については配合2のほうが大きく，配合による空隙量の違いはそれほど大きくない．
吸水試験および空隙量の測定結果から，ブリーディングは空隙量にはあまり影響しないが，細孔径や細孔分布に大きく影響する考えられる．最後にブリーディングによって物質透過抵抗性がどれだけ変わっているが確認するため，吸水挙動の再現解析を行った．再現解析の時は，実験結果もとに細孔構造のパラメータを変えて，位置の違いを表現した．この時パラメータVoを実験結果から同定して，B，klpをパラメータスタディから決めた．パラメータから見ると，Bというのはブリーディングが起こして部分だけで小さくなっている．ブリーディングは細孔容積の増加よりも，細孔径を粗大にする影響が強いこと示唆された．そのため，ブリーディングが発生した部分は、細孔径が大きくなることが示唆された．