DANIEL RODRIGUEZ AMATON CFRP repair for connections in steel structure (鋼構造物継手部のCFRP補修) TAKESHI MIYASHITA 近年,定期点検により鋼構造物継手部の腐食損傷が多数発見されている.従来の補修・補強では,溶接やボルトにより,鋼板を添接する当て板工法が用いられる.しかし,腐食量の大小に関係なく作業が大規模になる点,母材に孔を空けるため断面欠損が発生する点などの問題がある.また,鋼橋では,引張力と圧縮力の両方を受ける部材があるため,作用力を考慮した補修・補強が必要となる.このような中,軽量,高強度,高弾性,高耐食性いった優れた特徴を有する炭素繊維シート接着工法が注目されている. そこで,本研究では,鋼構造物継手部のCFRP補修の検討を目的として,応力低減や最大荷重などのバックデータを取得した.また,CFRPによる補修効果を確認するために,添接板の近くに腐食損傷を模擬した鋼桁の3つの実験ケースで4点曲げ試験を行った. その結果,得られた知見を以下に示す. 最大荷重について: 1.添接板が滑る前の健康な状態の供試体の最大荷重が650kN上回っていることから,次の2つの実験ケースの結果を検討つけた. 2.腐食損傷した供試体の最大荷重低下したことから,ザグリ処理を行っていることが最大荷重に少しでも影響があることを明確にした. 3.炭素繊維シートによる補修している供試体の最大荷重は健康な状態の供試体の最大荷重より増加している. 破壊モードについて: 1.健康な状態の供試体と腐食損傷した供試体の場合,載荷終了後,見られる傾向としては添接板が2つに分けようとしたかのように滑った. 2.ザグリ処理を行っている部分には見られる変化が特に無かった. 3.炭素繊維シートによる補修している供試体では,添接板は他の2つの供試体と比較するとそれほど変化が無かった.載荷終了後,見られた変化は炭素繊維シートと樹脂にあって,破損モードを鋼降伏から炭素繊維シート破壊に変更した.