DANIEL SUAREZ RUIZ 炭酸カルシウムの付着による泥岩風化に起因する盛土の長期沈下防止法の開発 大塚 悟 風化とは石、土壌、鉱物が地球の大気,水,生物などの物理的・科学的作用によって分解される現象である.侵食と比較し風化は,雨や雪,風などによる,岩石や鉱物の動きはなく,同じ場所で発生する. 本研究では、炭酸カルシウム(CaCO3)のコーティングによって,泥岩風化による盛土の長期的沈下を防ぐ技術の開発を目的とし,様々な加速クリープ試験を通じて、コーティングの影響を実験的に調査する.なお,本研究で示す実験結果は、炭酸カルシウム(CaCO3)でコーティング処理された泥岩盛土の沈下に関する信頼できる実験データであり、風化対策の研究を継続できるようにしている. NEXCOの泥岩の風化特性試験の基準(JHS110)に基づき,粒径範囲を19 mm〜37.5 mmとする.泥岩は自然含水比状態で,ほぼ単粒土材(同一粒径)である.試料の作成方法は径150 mmのモールドに詰めて,モールドを左右前浦に傾斜して振動を与えるジッキングにより作成する.具体には何回か試行して,目標とする体積及び密度の目安を調べておき,再現性のある試料作成に心掛ける.モールド内には吸排水を考慮して,ナイロンメッシュを試料上下部に配置する. コーティングの影響力を検証するために,本研究では6つの条件下で加速クリープ試験を行った.泥岩の処理方法を変化させた3つの供試体(コーティングなし、3日間コーティング、4日間コーティング)を作製し,それぞれ20Kpaと40Kpaの荷重で加速クリープ試験を行い,実験データを得た.最後に、スレーキング試験が実行されたことを確認するために、これらを荷重無しの状態で試験を行った.試験では、荷重一定化において乾湿繰り返した時の供試体の圧縮量について調べた。載荷した後、1 日水浸させ、2 日間空気を通気させる(1 回目)。さらに1 日水浸させ、2 日間空気を通気させる(2 回目)。 この水浸と空気を通気サイクルでは試験体によって、3回-4日を行う 加速クリープ試験を繰り返し行う中で,乾燥状態から湿潤状態へ移行するサイクルが繰り返されることが大きな原因となり,一度盛土が大きく沈下し,その後も状態変化のサイクルを繰り返すことでその沈下量が徐々に減少するパターンがあることを発見しました.よって本研究では,炭酸カルシウム(CaCO3)のコーティング処理は、泥岩の風化作用を低減する効果があることが判明し,今後は、その影響力を詳細に調査するために,より実践的な調査が必要である.