長谷川 美季 自家用車内騒音・振動を用いた道路管理指数の推定 宮木 康幸 路面の維持管理手法は,主にMCIとIRIの2種類がある.日本では,路面の維持管理手法として一般的にMCIを用いている.しかしながら,MCIはデータ取得費用が多大のためデータ取得ができていない.そこで,騒音と振動を自動車で測定することにより,実際のMCIデータと照らし合わせて路面性状との相関をしらべることにより,簡易的かつ廉価な路面性状評価の手法を検証することを最終目標とした.そのため本年度は,鉛直方向振動加速度を用いて長岡市より借用した路面性状データと相関関係を検証することを目的とした.騒音も測定したがうまくデータ取得ができなかったため振動加速度のみで検証を行った. 振動加速度の測定は,iPadを用いて行った.極めて異なる路面状態では,鉛直方向振動加速度の実効値に変化がみられた.MCIが1.6から10に変化した場合実効値が1/2になったため,MCIと関係付けられると考えた.しかし,測定した鉛直方向振動加速度の実効値と長岡市より借用したMCIデータを照らし合わせても明確な相関関係を求められなかった.また,ひびわれ率,わだち掘れ量,平たん性についても実効値との相関関係は求められなかった. 鉛直方向振動加速度の測定データは,平たん性とひびわれの2つの要因により変化すると考えた.そこで平たん性とひびわれ率を分けて確認するため,周波数成分に着目した.測定データをフーリエ変換した場合,平たん性とひびわれがあるものに対してスペクトル値が大きく出る.周波数が5Hz前後で平たん性,10Hz以上でひびわれの影響を受けることが分かった.スペクトル値の変化は,それぞれ異なる周波数地点で変化が起こることが確認できた. 今後鉛直方向振動加速度は,平たん性とひびわれ率に関係するので周波数成分に着目する.課題として,今回用いた路面性状データは100m区切りであった.そのため,自動車走行時のタイヤ位置の路面性状と借用した路面性状データに違いがあったと考える.そこで,測定時にタイヤ位置における路面性状を独自に算出する必要がある.また,本年度では鉛直方向振動加速度のみ検証したが,騒音と水平方向振動加速度についても検証を行う必要がある.