Isaac Alfonso Garcia Garcia Twitter位置情報を利用した外国人旅行者の移動パターン分析に関する研究 高橋 修、佐野 可寸志 レジャー旅行の研究は,公的な統計や観察,あるいは調査によって行われている。しかしながら,これらの手法は多大な経済的および人的な負担が必要となる。スマートフォンやその他の電子機器の普及に伴い,膨大な量のビッグデータがこれまで以上のスピードでつくり出されている。このようなビッグデータには,移動に関する新しい指標となり得る高い空間時間的情報を伴った統計量を提供できる可能性を有している。これによって,我々は輸送と観光計画においてより良い意思決定ができるようになるであろう。 本研究では,観光客移動パターンの研究分野において,Twitter位置情報を使用するための枠組みを提供している。この位置情報からの内部パラメータを利用することにより,外国人観光客を識別する新しいデータ抽出方法を提案した。この方法については,日本の実データを使って適用性を評価し,公式の観光統計量を用いて検証を行った。さらに,旅行パターン,旅行目的,および観光客グループの行動を調査するため,空間時間的分析も行った。その後,メキシコのデータを使用したケーススタディを実施した。 検討結果から,本研究で提案したデータ抽出方法は最大94%の精度を有することが明らかとなった。そして,抽出データは,外国人観光客の訪問先および外国人のホテル収容能力に関する公式統計量と高い相関が確認された。その旅行パターンは,公式の旅行調査データと同様の傾向であった。東京都内での旅行者の目的を調査したところ,70%以上の旅行者が商業地区内に所在していたことがわかった。また,他の観光客グループは,訪れた観光用アトラクションのタイプに特定の傾向がみられた。さらに,観光用アトラクションの人気が訪問客の空間的分布に影響することがわかった。メキシコのケーススタディでは,外国人観光客の特定に71%の精度が得られた。 本研究の結論として,観光および交通計画にTwitter位置情報を活用すること提案するとともに,今後の課題について指摘した。