志賀暢

屋外暴露されたRC・PC部材の長期変形と応力に及ぼすコンクリートの収縮・クリープの影響

下村匠

自然環境下における鉄筋コンクリート構造およびプレストレストコンクリート構造の時間依存性変形と応力を予測するためには,コンクリートの乾燥収縮,クリープなどを精度よく表現する構成モデルが必要である.また,対象構造物への荷重環境作用を入力値として適切に与えることが必要である.
本研究では,環境作用の影響を考慮したコンクリート中の水分移動モデルをコンクリートの乾燥収縮,クリープを考慮したRC・PC部材の時間依存性変形解析プログラムに導入する.そしてRCはり試験体とPCはり試験体の屋外環境下での持続曲げ載荷試験を行い,環境作用がコンクリート部材の長期変形と応力に与える影響を実験的に確認するとともに,数値解析により再現する.
屋外環境下におかれたコンクリートの収縮は,恒温恒湿室における収縮よりも小さいことが確認された.各時間における気温,湿度,日射,降雨の影響を考慮した解析より環境条件の違いに伴う自由収縮挙動の違いを再現することができた.
屋外一般環境下におかれたRC・PCはり部材の時間依存性変形の経時変化は,環境条件の違いによるコンクリートの収縮の違いの影響を受けることが実験により確認された.コンクリートの収縮,クリープ,鋼材による拘束を考慮した解析により実験結果を再現することができた.
AMeDASのデータベースより取得した環境作用のデータを用いて,屋外におかれたコンクリート構造の時間依存性変形の将来予測を行う方法を提案した.気象作用をモデル化することで,コンクリートの自由収縮量,RCおよびPCはり部材の時間依存性変形の長期予測を行うことが可能になった.

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