kan15704

楡井将真

震災を契機とした地域づくり活動プロセスと地域維持・活性化方策の評価
－新潟県中越地域を事例に－

佐野可寸志西内裕晶

中越地震からの復興プロセスは中山間地域の過疎高齢化等の課題解決に向けた地域づくりプロセスであり，震災から10年が経過した中越地域における地域づくり活動は，過疎高齢化対策の実施が行われている．
本研究では，現在集落で行われている各種地域づくり活動や外部者との関わり，過疎高齢化等の対策に向けた取り組みの実態把握を行い，その結果に基づき，これからの地域維持・活性化にどのような要因が必要なのかを模索し，現在行われている地域の維持と活性化方策を評価することを目的とした．
その結果，地域づくり活動として，集落内で行われている維持活動は，対象全てにおいて活動が活発に行われていることが分かり，この結果から，地域コミュニティが確立され，そこで暮らすひとり，ひとりが役割を担っていることが分かった．地域づくり活動の実態に対する課題は，現在最も深刻である過疎高齢化等への課題が挙げられる．そこでは，認識があるにも関わらず，その過疎高齢化等に向けた対策を講じていない集落が多いことであると共に，地域活性化に欠かすことの出来ない交流人口の拡大や集落内における経済活動等の付加的な活動の実施を行っている集落が少ないことである．しかし，中には外部者が参与し過疎高齢化等の対策の実施や付加的活動の推進は中越地域における中山間地域集落の中でも極限られた集落のみが行っていることもあるが，その他大勢の集落では行われていないことが分かった．また，集落の将来への希望も希薄であることから，現在における中越地域の地域づくり活動は決して評価出来るものではないと言える．このことから，集落の将来への希望を主とし，地域の維持・活性化に関係のある以下の項目を抽出し，判別分析を用いてその要因を導いた．そこから，地域の維持・活性化方策における評価は，①過疎高齢化対策の実施を行い，②外部者の参与を推進し，③付加的活動の実施を積極的に行い，④コミュニティを良好にすることの順に取り組みを行っていることが評価となることがわかった．

前のページに戻るには"戻るボタン"で戻ってください。