山本健太

滴下パルス計測降水量計の測定方法の改良に関する研究

熊倉 俊郎

 田村式降水強度計は受水器で受け取った個体降水をヒーターで水滴とし、その水滴の数を香典センサーでパルス検出し降水強度0.005mm単位で測定する。また、田村式降水強度計の降水量算出方法には、二つの方式がある。1つ目は従来からある方法で、単位時間の間の滴下数のカウントから降水量を求める方式である。2つ目は滴下間隔から降水量を求める方式である。この方式では1分より細かな時間での降水量を測定することができる。しかし、滴下間隔が22秒を超えると降水量を測定できないという弱点がある。滴下回数方式は滴下間隔が一定という仮定のもと計算が行われている。しかし実際はそのような事象が起こる可能性は限りなく低いので、降水量を計算する際には滴下間隔方式を使う必要がある。よって本研究では他の重量式降水量計を真値として田村式降水強度計と比較し、最終的に降水算出方法を改良することを目的とした。重量式降水量計から求めた降水量と田村式降水強度計の二つの方式をそれぞれ比較した結果、滴下間隔から求めた降水量の値が重量式降水量計とほぼ同じ値を示した。また、滴下回数と滴下間隔から求めた降水量を比較した結果、全体的に滴下間隔から求めた降水量の値が多くなる結果が得られた。また田村式降水強度計の二つの方式を比較したところ滴下回数から求めた降水量の値が約96%小さくなった。この滴下間隔から求めた降水量が多くなる原因は、滴下回数が同じ場合、滴下間隔が等間隔と不等間隔であった場合、等間隔であった場合の降水量の値が最も低い値を取ることである。滴下回数方式は滴下間隔が等間隔である事ことを仮定した方式である。以上のことから降水量を求める際には滴下間隔方式で計算する必要があると言える。しかし、滴下間隔方式では降水量が少ない際に計算が行えないので部分的に滴下回数方式を用いることとした。滴下回数方式を用いる境界は、両方式の比較から1.4mm/h(1分間4敵の滴下に相当)以下とすることとし、滴下回数の手法と滴下間隔の手法のどちらを使うかを決めた。よって最終的に田村式降水強度計の滴下回数が4回を超える場合には滴下間隔方式を用い、滴下回数が4回以下であった場合には滴下回数方式を用いることとした。これらによって従来より正確に降水量を算出できると考えた。

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