佐々木 彰平
砂質地盤の地盤・杭基礎の地震相互作用に関する基礎的研究
大塚 悟
新潟県長岡市にある大河津分水旧可動堰は施設の老朽化により,新可動堰の建設と伴に撤去工事が実施された.この際,旧可動堰底部に連続した空洞が発生していることが確認された.この空洞が生じた原因として,地下水による浸食と液状化による周辺地盤の沈下の2つが挙げられる.液状化によって基礎周辺地盤が沈下すると,たとえ杭基礎が健全であったとしても,堰直下に空洞が生じ,杭が突出した状態となり,水平耐力を損なう可能性がある.既往の研究ではゆるい地盤であれば振動台模型実験でも地震の沈下によって空洞化が発生することが確認できた.
このような背景を踏まえ,本研究では,中・大規模構造物のような杭基礎で支持される構造物に着目しており,大河津分水旧可動堰での空洞化を例に,空洞化の発生条件を振動台模型実験によって検討する.その中で,砂質地盤の相対密度,杭の有無・杭本数,液状化対策工法による周辺地盤への挙動への影響を比較し,検討することを本研究での課題とした.その結果,以下に示す知見が得られた.
� ̄嫋�化による堰直下の空洞化の発生条件の検討
大河津分水旧可動堰をモデル化した振動台模型実験から,現地で確認されたような空洞化が生じる条件を,相対密度を変化させることにより検討した.目標相対密度40%の杭を設置したケースでは150Gal加振時に空洞化が確認できた.目標相対密度50%と60%のケースでは最大加振である600Gal加振時でも堰の沈下は確認できたが周辺地盤が沈下せず,空洞化は見られなかった.このことより液状化による堰直下の空洞化の発生の条件としては相対密度が40%以下で支持杭を設置したケースで空洞化が発生すると考えられる.
��中・大規模構造物がゆるい砂地盤上に建設されたときの最も効果的な液状化対策工法の検討
支持杭,摩擦杭,人工ドレーン材,それぞれを設置した3つの液状化対策工法で振動台模型実験を実施し,液状化対策工法の違いによる周辺地盤への影響や中・大規模構造物がゆるい砂地盤上に建設されたときの最も効果的な液状化対策工法を検討した.支持杭を設置したケースが摩擦杭・人口ドレーン材を設置したケースより過剰間隙水圧の上昇抑止効果が見られることや応答加速度倍率の減衰が小さいことから,支持杭を設置したケースが最も効果的な液状化対策工法であると考える.
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