加藤 凜

Social Force Modelを用いたセグウェイ挙動の再現に関する研究

佐野可寸志 西内裕晶

本研究は,新たな移動手段として注目されているのが電動二輪車パーソナルモビリティであるセグウェイの挙動を再現し,セグウェイを公道で導入するにはどのような状況下および交通ルールが必要なのかを明らかにすることを目的とする.
セグウェイの挙動を再現するにあたって, 歩行者挙動を再現に適している Social Force(以下SF)モデルに着目し,SFモデルにセグウェイ特有の条件の追加およびパラメータを設定しSFモデルをセグウェイ挙動に適応する.
SFモデルとは, Helbingらが提案した歩行者挙動を再現することに適したモデルであり,単位時間毎の歩行者の加速度ベクトルが定式化されている. その定式化された式に,パラメータの調整や様々な条件を追加することで再現する.
まず,セグウェイの基礎的な特徴や特性について把握し,モデルに適用させる.具体的には,セグウェイジャパンの情報や西内らによるセグウェイの走行挙動に関する基礎的研究からセグウェイの加速や減速,回避挙動などを把握する.その後,SFモデルのパラメータを推定し,セグウェイ挙動の再現を行う.
把握したデータからセグウェイの走行挙動を整理し,最も挙動が再現できているパラメータを推定する.
パラメータの推定により構築したセグウェイ挙動モデルと西内らの研究結果との比較から実測値との違いを定性的および定量的に把握する.違いを把握するうえで,走行軌跡,最高速度,平均速度,最大回避地点,回避開始距離,すれ違い時の横方向距離の6点において比較する.比較した結果から考えられる課題と問題点を抽出し,どのような条件の追加が必要か考察する.
次に,考察した条件をモデルに追加するため必要なデータを収集する.データを収集するにあたり,セグウェイの走行実測実験を行う.実施した実験から得たデータを解析し,SFモデルにセグウェイの挙動を再現するための条件を追加する.その後,再度パラメータを調整し,セグウェイの挙動を再現したモデルを構築する.
最後に構築したモデルで,多様な条件下をシミュレーションし,その条件下でセグウェイを導入する事の可否判定や交通ルールを明らかにする.最後に,今後本モデルをさらに改善すべく,現時点での問題点や課題点について考察する.
本研究では以上のアプローチからセグウェイの挙動を再現し,セグウェイ導入するにはどのような状況下および交通ルールが必要なのかを明らかにする

前のページに戻るには"戻るボタン"で戻ってください。