松本 悠暉

時系列MODISデータによる市町村単位の水稲初期生育特性と収穫量の比較検討

力丸 厚  高橋 一義  坂田 健太

本研究は、広範囲を高頻度で観測しているMODISデータを用いて、4年分の市町村単位の植生指標の経時変化と水稲初期生育特性の把握と市町村単位の水稲初期生育特性と収穫量に相関関係があるかどうかの比較検討を目指している。しかし、雲域の影響で植生の観測が困難であり、時系列に植生指標の経時変化を把握することは難しい。そこで、Aqua、Terraの2衛星を組み合わせることにより、雲域を除去する。また、水稲初期生育特性は、田植えから、水稲が成長を最大に迎えるまでの植生指標の経時変化であり、水稲初期生育特性と収穫量の相関関係についてわかることができれば、成長期の初期のときに減収のリスクを抑えるために対策することができる。そのため、水稲初期生育特性と収穫量に相関関係があるかどうかの検討を目指した。
新潟県の新潟市、長岡市、十日町市、魚沼市を対象都市として、4年分のDVIの平均値と最大値を抽出して、どの市も年が変わっても、同じようなグラフの波形になることと、どの対象都市も年に関係なく、栽培暦とほぼ一致したことを確認した。対象都市の水稲初期のDVIの最大値の傾きを前半、後半で分けて取って、対象都市の間で水稲初期のDVIの最大値の増加の仕方が変わることを確認できた。対象都市の水稲初期特性のDVIの最大値の傾きを取り、収穫量との関係をみたが、はっきりとした相関関係をみることができなかった。対象都市のDVIの期間最大値を取り、収穫量との関係を全体でみれば、収穫量と期間最大値で高い相関があることが確認できた。


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