TSEDEVDORJ SARANTUYA

Hydrus1D数値解に基づく三つの浸透式のパラメータの推定に関する研究

陸 旻皎

土への浸潤水量の把握は、農地における灌漑水量の決定など、実生活の問題と密接な関係を持つ。土は,地球の表層を覆って存在する粉・粒状物質の層である。その厚さや性質は気候,植生,母材など様々な要因によって異なる。土壌タイプを大きく分類すると、Sand、Loamy sand、Sandy loam, Silt, Loam、Clayなどの12種類がある。
 一般的にRichards式を用いて土壌浸透を表現出来る。Richards式とは、非定常流れの水分量とマトリックポテンシャルを予測する鉛直流れの式である。 本研究でRichards式を数値的に解く、水分移動解析モデルHydrus1D用いていた。研究目的はHydrus1Dから算出された数値解を用いてRichards式に基づいている三つの浸透式のパラメータを推定し、三つの浸透式を評価した。
本研究では、静水平衡状態という土壌内に地下水面がある時の浸透の様子に着目した。最初に、均一体積含水率状態と静水平衡状態の浸透に関する比較を行った。次に、12種類の土壌タイプの中で、地下水面の深さに関して詳細な数値計算を行った。均一体積含水率状態と静水平衡状態(地下水面が存在すると考え)で計算している時の違いを明確にした。Hydrus1Dからの数値解を用いてHorton(1933)、Philip(1957)、Green-Ampt(1911)式のパラメータを最適化分析(Excel-solver)で推定し、パラメータ関係を求めました。最適化分析(Excel-solver)で計算した推定数値をPhilip(1957)、Green-Ampt(1911)式のパラメータを用いて計算した数値と比較を行った。
 結果的には、パラメータ推定した浸透曲線からはHorton式よりPhilipとGreen-Ampt 式の浸透曲線が良くあっているのが分かりました. 三つの浸透式からRichards式と一番近い値を出すのがPhilip式と考えられます. 次にPhilipとGreen-Ampt式は 粗粒のLoamy sand, Sandy loamなどの飽和透水係数(Ks)が大きい土壌にとって浸透式のパラメータ推定結果が良かった. しかし,細粒のSilty Clay, Silty clay loamなどの飽和透水係数(Ks)が小さい土壌にとって浸透式のパラメータ推定には差異が出ました.

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