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Luis Mauel Bustos Karam

供用年数を経たゲルバートラス橋のモデル検証

岩崎　英治

高度経済成長期に建設された膨大な数の道路橋の高齢化が進む中，橋梁の維持管理の果たす役割が重要となっている。本研究ではケーススタディとして供用年数75年を超えたゲルバートラス橋のモデル検証を行った。
対象とした橋梁は、柏崎市から長岡市の中心部に通じる、一般国道351号線にある。本橋は昭和12年に建設された、下路式ゲルバー鋼ワーレントラス橋で、橋長850.8m、13径間、信濃川に架けられた県内有数の長大橋である。架設以来、約80年近い風雪に耐えてきた。しかし、近年、腐食などの損傷が見られる、このような年数の経った橋梁の健全性を確認するために橋のモデル化を行う必要がある。
対象橋梁は長期間供用されており、その現状について把握する必要がある。橋全体系の実挙動を把握するとともに、応答値算出のためのモデル化手法を検討することを目的として、荷重車の静的または動的荷重載荷時における挙動計測と弾性2次元FEM解析を行った。
解析手法の妥当性を検証するために、実橋での挙動と比較を行う必要がある。そこで、主構部材（13上弦材と12斜材）のひずみと各径間中央のたわみの計測を行った。静的載荷試験では、着目主構格点直上に20トンの荷重車を並列2台載荷し、13径間にわたって載荷を実施した。動的載荷試験では、荷重車1台で橋梁中央部を走行した。走行速度は40㎞／ｈ前後の一定の速度とした。
モデル検証プロセスでは、まず、設計通りの単純トラスモデルを開発した。そこで、主構部材のみをモデル化し、次に、梁要素でフレームモデル化し、最後に床組の縦げたを考慮したフレームモデル化を行った。全てのモデルはこのような形でモデル化を行った。しかし、橋梁の支承部では高齢化が原因で、支承の機構がうまく機能していないケースが多いということから、本橋の実応答値に近い値を求めるために各モデルでは異なる支持条件を用いて解析を実施した。最終的に8つの違う支持条件でモデル検証を行った。そのモデルの中で橋の現状に最も近いモデルを選択した。
選択したモデルは、本来、支承がローラーであるところをピン固定としていること、ヒンジがばねのような挙動を示すことから、今回対象とした橋梁は、ローラー部やヒンジに錆が生じるなどの高齢化による原因でうまく機能せず、ピン固定のような状態になっていると考えられる。

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