ken11409

Corina　CASTILLO

H&Vシールドの操作がその挙動に与える影響の検討

光隆杉本

トンネルボーリングマシン（TBM）は，様々な地盤にトンネルを掘削するために使用される円形断面の機械である．H＆Vシールドは，通常のTBM2台を，右シールドと左シールドとする特殊なシールドである．本研究では，密閉型シールドを想定するとともに，左シールドが水平・直線の線形を有し，右シールドがその周囲を，水平方向から鉛直方向に回転することを想定した．このH＆Vシールド使ったら，同時に２つのトンネルを建てることができるので，便利な機械である．建設の時間が低減されるからである．
H＆Vシールドにおけるシールド操作のシールド挙動への影響は，4つのパラメータを用いた数値解析で検討された．コンピュータのプログラムにより，これらのパラメータがマシンの掘進距離，方向，速度等にどれ程影響するかを検討した．また，この4つパラメーターは下記のとおりである．
①コピーカッター長さ（CCL）とコピーカッター範囲（CCT）：コピーカッター長さの有効率を設定した．
②中折れ角度とピッチング角度：前胴ピッチング角を，中折れ角度と後胴ピッチング角に配分する比率ALPHA値を設定した．
③ジャッキ力：ジャッキ力のパーセントを変化する．ここには、たとえば、60％は0.60値にった．
④地盤剛性：N値で規定される地盤剛性．このN値は標準貫入試験（the Standard Penetration Test ，SPT)方法によって違う．
　
この研究で用いられた4つの主要なパラメータについて，以下の結論を得た．
①コピーカッターの有効率は，マシンと地盤の接触から生じる摩擦を低減するのに重要である．また，摩擦は速度を低下させる．だから，一番高いコピーカッターの有効率ほうが正しいである．
②右シールドにのみ関係するALPHA値は，傾きによる地盤反力発生範囲に影響を与える．このため，ALPHA値が大きくなると，シールドへの地盤反力が増加し，掘進速度も低下する．
③掘進速度を増加させるためには，大きなジャック力が必要とされる．また，ジャッキモーメントは，シールドを回転させるために有効である．
④高い地盤剛性は，シールドの回転を容易にするとともに，掘進速度，掘進距離を増加させる．
掘進作業を最適化するためには，これらのパラメータが，H＆Vシールドの挙動に影響を与えることを考慮する必要がある．

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