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氏名：永井健太郎

論文題目：直接注水による消雪井戸の性能変化に関する研究

指導教員名：豊田浩史

近年、限られた地域に対して短時間に多量の雨を降らせる集中豪雨が多発している。この集中豪雨は、台風などと異なり予測が困難であるため、土砂災害や洪水などの災害が起きやすい。新潟県内での集中豪雨では、平成16 年7 月と平成23年7月に発生した新潟・福島豪雨で、信濃川水系である五十嵐川や刈谷田川や中ノ島川の堤防が11 箇所で決壊し、三条市、長岡市、見附市など、広範囲で浸水の被害が発生した。
見附市は豪雪地帯であることから、道路除雪の有効な手法である消雪パイプが普及しており、消雪用井戸が多数存在する。しかし、消雪パイプは克雪対策としては有効であるが、地下水の大量汲み上げによる地下水位低下や地盤沈下などが大雪の年には問題となる。
そこで本研究室では、低コストで早期且つ機動的な雨水対策であり、且つ地下水涵養や地盤沈下防止などの環境対策にもつながる手法として、雨水を消雪井戸へ注入することを提案する。
本研究室では、既往の研究で実際の消雪井戸を利用し、注水試験を行っている。その成果として、①消雪井戸への注水能力について現地実証された。②屋根排水による雨水の注水について現地実証された。③雨水水質は地下水水質に比べ，良好であることが確認された。④注水による周辺地下水への影響は軽微であることが確認された。しかし、井戸の違いによる注水能力の適性評価、井戸の目詰まり機構の実態把握等の課題が残った。
本研究では、上記の課題を検証するため注水試験と揚水試験を行った。その結果、以下のことが分かった。
1.注水による周辺井戸の水位上昇は僅かなものであり、注水終了後は速やかに地下水位が低下する。
2.Well-23の可能注水量は、揚水ポンプありで180L/min、揚水ポンプなしで1000L/minであることが分かった。
3.揚水ポンプありの能力低下は、地盤本来の透水性により異なり、透水性が高いほど揚水ポンプによる能力低下が大きい。
4.注水により、目詰まりの原因物質である鉄バクテリアが発生するが、揚水によって排出することが可能である。

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