名前   富林 諒大

題目   すりつけ用アスファルト混合物の配合設計と物性評価に関する研究

指導教員 高橋 修

すりつけ用混合物は,北陸地域で広く使用されているが,消雪パイプ箇所のように水分の影響が大きく,輪荷重が多く作用するところでは層間剥離が散見されている.剥離は水分の浸透と交通荷重によって徐々に拡大して,剥離面積は大きく発展していく.そして問題なのは,このような剥離が施工後の短い期間で生じていることである.場合によっては,秋に施工してその冬には剥離が生じてしまうことも少なくない.
 そこで本研究では,すりつけ用混合物の配合を見直し,同じ骨材とフィラー,およびストレートアスファルトを使用して,より剥離抵抗性に優れたすりつけ用混合物を配合することについて検討した.骨材粒度を見直し,それに対する適切なアスファルト量を選定することによって改善するものとした.
本研究で提案する7号アスファルトモルタルは,従来のすりつけ用混合物の骨材配合に比べ,細骨材を増加させ,粗骨材を減少させた.これによって,混合物の緻密性を向上させ,アスファルト含有率を増加させた.また,圧裂試験を実施し,最適アスファルト量を決定した.そして,提案する7号アスファルトモルタルおよび従来のすりつけ用混合物の剥離抵抗性を評価するため,層間付着強度試験を行った.
 これらの検討より,本研究で提案する7号アスファルトモルタルは従来のすりつけ用混合物と比べ,層間付着強度が2倍以上大きいという結果が得られた.すなわち,7号アスファルトモルタルは従来のすりつけ用混合物より剥離抵抗性に優れているといえる.
 以上より,7号アスファルトモルタルをすりつけ用混合物のベースとして提案することができた.

前のページに戻るには"戻るボタン"で戻ってください。