ken11103

水嶋直哉

Bailey骨材パラメータによるSuperpaveアスファルト混合物の粒度設計に関する研究

高橋修

　わが国の都市部の空港，特に国際空港において航空機の運用回数が増加し，設計期間を待たずに舗装が破損してしまう事例が多くみられている．そのため現場ではより耐久性の高い空港用アスファルト混合物が求められている．アスファルト混合物の耐久性を上げるには改質アスファルトをバインダに使用することが最も効果的であるが，大規模施工を行う空港舗装では価格が高く，施工も難しいことから使用が難しい面がある．
わが国における空港用アスファルト混合物は，マーシャル法で配合設計された密粒度アスファルト混合物（20）の中央粒度のみであるため，同程度のコストでより耐久性の高いアスファルト混合物を得るためには，合理的な配合設計方法や骨材粒度を選定することで対応する必要がある．このような背景から，本研究では空港用アスファルト混合物の選択肢に自由度を持たせることを目指し，Bailey法を使用したSuperpave配合設計法を用いる場合のガイドラインを提案することを目的とした．
Superpave配合設計法におけるアスファルト混合物の骨材粒度は，ふるい寸法ごとにいくつか存在する制御点を避けるように経験を頼りに設計者の裁量で粒度選定される．わが国でSuperpave配合設計法を運用することを考えると，骨材粒度の選定に自由度が高すぎるため，導入にあたっては設計者の経験をフォローできるツールが必要である．そこで本研究では，骨材粒度を評価するツールとしてBailey法に着目した．Bailey法は米国で開発された骨材粒度を評価，選定するための方法で，分級骨材を組み合わせたときの骨格構造に注目して，骨材の詰まり方をCALUW，CA，FAc，FAfという4つの骨材パラメータによって評価する方法である．米国ではこれに推奨値を設けて運用している．
　本研究では，空港用東京国際空港配合をケーススタディに，Bailey法で骨材粒度を選定した22配合をSuperpave配合設計法に沿って設計アスファルト量を決定し，設計特性値や骨材パラメータの傾向を把握した．また，配合設計結果から供試体を作製し，力学試験としてAPA試験，曲げ疲労試験，空港ホイールトラッキング試験を行った．その結果，VMA，VFA，ダスト-バインダ比の傾向からVMA=13～15でAASHTOの設計基準値を満足する混合物となることが分かった．また，VMAに最も影響する骨材パラメータはFAcであり，骨材パラメータを米国推奨値の範囲端を選んだ混合物はAASHTOの設計基準を満足しない傾向であった．力学試験の結果は，CALUW=70～90において塑性流動抵抗性が高い傾向となり，CALUW=80～100で疲労破壊抵抗性抵抗性が高かった．また，空港ホイールトラッキング試験結果は試験数が少ないもののアスファルト量にわだち掘れ量が依存する傾向が見られた．

　わが国の都市部の空港，特に国際空港において航空機の運用回数が増加し，設計期間を待たずに舗装が破損してしまう事例が多くみられている．そのため現場ではより耐久性の高い空港用アスファルト混合物が求められている．アスファルト混合物の耐久性を上げるには改質アスファルトをバインダに使用することが最も効果的であるが，大規模施工を行う空港舗装では価格が高く，施工も難しいことから使用が難しい面がある．
わが国における空港用アスファルト混合物は，マーシャル法で配合設計された密粒度アスファルト混合物（20）の中央粒度のみであるため，同程度のコストでより耐久性の高いアスファルト混合物を得るためには，合理的な配合設計方法や骨材粒度を選定することで対応する必要がある．このような背景から，本研究では空港用アスファルト混合物の選択肢に自由度を持たせることを目指し，Bailey法を使用したSuperpave配合設計法を用いる場合のガイドラインを提案することを目的とした．
Superpave配合設計法におけるアスファルト混合物の骨材粒度は，ふるい寸法ごとにいくつか存在する制御点を避けるように経験を頼りに設計者の裁量で粒度選定される．わが国でSuperpave配合設計法を運用することを考えると，骨材粒度の選定に自由度が高すぎるため，導入にあたっては設計者の経験をフォローできるツールが必要である．そこで本研究では，骨材粒度を評価するツールとしてBailey法に着目した．Bailey法は米国で開発された骨材粒度を評価，選定するための方法で，分級骨材を組み合わせたときの骨格構造に注目して，骨材の詰まり方をCALUW，CA，FAc，FAfという4つの骨材パラメータによって評価する方法である．米国ではこれに推奨値を設けて運用している．
　本研究では，空港用東京国際空港配合をケーススタディに，Bailey法で骨材粒度を選定した22配合をSuperpave配合設計法に沿って設計アスファルト量を決定し，設計特性値や骨材パラメータの傾向を把握した．また，配合設計結果から供試体を作製し，力学試験としてAPA試験，曲げ疲労試験，空港ホイールトラッキング試験を行った．その結果，VMA，VFA，ダスト-バインダ比の傾向からVMA=13～15でAASHTOの設計基準値を満足する混合物となることが分かった．また，VMAに最も影響する骨材パラメータはFAcであり，骨材パラメータを米国推奨値の範囲端を選んだ混合物はAASHTOの設計基準を満足しない傾向であった．力学試験の結果は，CALUW=70～90において塑性流動抵抗性が高い傾向となり，CALUW=80～100で疲労破壊抵抗性抵抗性が高かった．また，空港ホイールトラッキング試験結果は試験数が少ないもののアスファルト量にわだち掘れ量が依存する傾向が見られた．

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