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杉本　有基

交通ミクロシミュレーションを用いた長岡まつり花火大会の交通渋滞緩和施策評価

佐野　可寸志

長岡まつり大花火大会は長岡市の夏の最大イベントである。「日本三大花火大会」の一つのため、観光客が100万人規模である。そのため、花火終了時刻前後に観光客が一斉に帰路に着く21時から23時にかけて交通渋滞が毎年発生している。特に長岡ICにつながる8号線の混雑が深刻である。この交通渋滞が花火大会の大きな問題となっている。この渋滞問題を緩和するために、ミクロ交通シミュレーション『Paramics』を用いて渋滞緩和施策を提案し、その評価を行うことを目的とする。
対象地域は長岡中心街とする。研究方法は、H17年道路交通センサスデータのBゾーンに収まるようにParamicsのゾーンを分割し、日発生交通量と日集中交通量を計算し、初期OD交通量を求めた。そして、入力データ（初期OD交通量、リンク交通量、信号データ、通行規制プログラム）をParamicsに入力し、時間帯推計OD交通量を求め、現況再現を行う。現況再現からリンク交通量比較結果を取得した。また、Paramicsのツール『Analyser』を使用して、一番混雑度の高い国道8号線の長岡造形大学駐車場～長岡ICまでの所要時間を求めた。
現況再現からリンク交通量比較結果より、長岡IC入口の比較結果が21時で実交通量が1664台でシミュレーション交通量が1418台であった。22時は実交通量が1736台でシミュレーション交通量が1685台であった。23時は実交通量が1667台でシミュレーション交通量が1427台であった。21時、23時で約200台分の誤差が生じた。所要時間結果は、プローブカーデータと比較をした。21時のプローブカーデータは40分と147分でシミュレーション結果の平均は37分であった。22時のプローブカーデータは70分と142分でシミュレーション結果の平均は63分であった。23時のプローブカーデータは72分と98分でシミュレーション結果の平均は93分であった。
本研究で取り組んだ緩和施策は①国道8号線の右左折禁止、②最も混雑する長岡IC利用から中之島見附IC及び越路スマートIC利用への誘導、③郊外駐車場からのシャトルバスの利用促進（効果の有効性）を取り組んだ。結果としては、21時台の右左折禁止とシャトルバスが所要時間約15分の短縮がみられた。OD誘導が約3分の短縮であった。22時台は右左折禁止が約35分、OD誘導が約25分の短縮となった。シャトルバスは22時台では効果を確認していない。これより、3つの施策全部に渋滞緩和に影響があるといえる。今後は、施策を重複しての効果を確認することが必要と考える。

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