本間 暖幸

Bailey骨材パラメータをSuperpave配合設計法に適用するための基礎研究

高橋 修

マーシャル安定度試験が実舗装の力学条件に即していない不合理性や,重交通条件での塑性流動抵抗性の不足が指摘されている.
そこで,本研究ではマーシャル法で指摘されていた欠点を補うべく,実舗装での変形作用とその応答としての供用性を配合設計のプロセスで考慮しており,合理性と信頼性がより高いSuperpave法を用いることにした.しかし,わが国では,Superpave法を運用するにあたって,骨材粒度を具体的に決定するための要領が規定されていない.この問題点を補うために,骨材粒度を特性化し,その特性パラメータで評価する代表的なBailey法をSuperpave法の骨材粒度選定のプロセスに適用することについて検討した.
検討するにあたって以下の4つの知見を得ることを目的とした.(1)Superpave法では,わが国の密粒度タイプに相当する混合物にfine-gradedとcourse-gradedの2とおりの粒度パターンがあり,その類別と程度を粗骨材の量を表わす骨材パラメータ(%CA LUW)で判定するが,高い塑性流動抵抗性を得るためには,どのような値に設定すればよいか.(2)その他の3つの骨材パラメータのうち,どれが最もSuperpave法の設計パラメータ,および塑性流動抵抗性に影響しているか.(3)3つの骨材パラメータのそれぞれが,どのようにSuperpave法の設計パラメータ,および塑性流動抵抗性に影響するのか.(4)以上の(1)〜(3)に基づいて,Superpave法において推奨される各骨材パラメータはどれくらいの値か.
検討方法は,設計したアスファルト混合物について,設計パラメータの値を整理するとともに塑性流動抵抗性の評価試験を実施し,それらの結果を相対的に比較する.塑性流動抵抗性の評価にはAsphalt Pavement Analyzer(APA)試験を実施した.実験結果から,以下の知見を得た.(1)Bailey法の骨材パラメータである%CA LUWは,70%を推奨した.(2)3つの骨材パラメータのうちVMAに最も影響しているものは,New FAc ratioであった.どの骨材パラメータも塑性流動抵抗性に影響しない.(3)どの骨材パラメーターも上限値と下限値に設定すると,VMAの基準値を満足しない.塑性流動抵抗性も低い.(4)どの骨材パラメータも基準値を中間に設定することで, Superpave法の基準値を満足することが確認できた.

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