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田邊麻由子

長岡市中心市街地での駐車マネジメント計画に関する考察

指導教員：松本昌二・佐野可寸志・土屋　哲

新潟県長岡市では2011年に中心市街地への市役所庁舎の移転が、同時期に大手通り地区の再開発が計画されている。市役所庁舎の移転計画は単に市役所の機能と建物を移動・建設するだけに留まらず、同一敷地内に公会堂や広場を併せ持つ複合的な施設（シティホール）として建設される。中心市街地の整備は、シティホールを核として中心市街地を活性化することを目的としている。
本研究では、長岡市における中心市街地への市役所庁舎の移転と市街地の再開発を含む長岡市中心市街地地区都市再生整備計画を前提として、中心市街地の活性化を目的とした駐車マネジメント計画を作成し、考察した。考察の対象とする駐車場は、中心市街地の活性化へ大きく影響する来街者が主な利用者となる時間貸し駐車場とした。
駐車マネジメント計画の立案のための第一段階として、駐車マネジメント計画の立案手法を確立した。マネジメント計画の立案のために必要なステップは、①現状把握と問題抽出、②マネジメント方針の設定、③マネジメント対象地区のゾーニング、④マネジメント施策の決定、⑤マネジメント施策の実施と監視、と考えた。ステップの流れに沿って研究を進め、①～④までをおこなった。
次に、マネジメント対象地域内の駐車場の利用状況を把握し、問題点を考察した。市街地内の時間貸し駐車場の経営主体の大半は民間であり、近年では狭小な民間駐車場が増加していた。市街地内の駐車需要には偏りがあることや時間貸し駐車場の中にも月極契約車が存在すること、駐車場の占有率の決定には距離と実質的な料金が関係していることなどがわかった。
利用状況の考察からわかった駐車場の問題点を解消し、中心市街地の活性化に貢献できるような駐車マネジメントプランを策定した。マネジメントプランは3つ作成し、現状維持を基本とするプラン1、ソフト面の施策を中心におこなうプラン2、プラン2を発展させソフト面とハード面の両方の施策に加えて歩行者のための施策もおこなうプラン3とした。
駐車マネジメントプランの実施は中心市街地の活性化につながることが想定できた。マネジメン施策の実施方法としては、短期的にはソフト面の施策を実施し、ある程度の中心市街地活性化が実現された時点でハード面の施策を含むようなプランを実施することが効果的であると考えられた。駐車マネジメントは単に駐車場に関する施策だけでなく、歩行者モールの整備や公共交通の利用促進のような市街地全他に関することを含むことによって、さらに中心市街地の活性化を進めることができると考えた。

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