佐久間勇樹

道の駅の利用実態と利用者満足度に関する研究

指導教員:佐野可寸志,松本昌二,土屋 哲

道の駅はドライバーのための休憩施設としての役割以外にも地域振興施設としての役割を担っている.そのため多くの道の駅ではトイレや駐車場などの基本的な休憩施設以外に,地域振興施設として地元特産品の販売所や温泉施設などを併設している.しかし,利用者ニーズの多様化や提供サービスの水準などの違いから,道の駅利用者の満足度が必ずしも高くない状況も散見される.
そこで,本研究では,北陸地方における道の駅を対象として,道の駅の現状や利用実態を道の駅管理者へのアンケート調査と,道の駅利用者へのアンケート調査により明らかにすることを目的に行った.これら2つのアンケート調査の分析結果から,今後,道の駅利用者の満足度を向上させ,道の駅の利用者数を増加させるような整備の方向性について検討を行った.
北陸地方における道の駅運営上の問題点としては,冬期間の利用者の減少が挙げられ,多くの道の駅が特産品を使った商品・メニューの充実,利用者の増加,地元との交流・連携を望んでいることが明らかとなった.
また,利用者アンケートの結果から,「総合的な満足度」が高い道の駅の方が利用者数は増加していることが判別分析から明らかとなった.このことから,「総合的な満足度」の評価を向上させることで道の駅の利用者数の増加に繋がるという関係性を示すことができた.そこで,道の駅利用者へのアンケート調査で得られた19項目の満足度の評価結果を用いて因子分析を行った結果,「オリジナリティ」「情報案内」「施設のスペース」「清潔感」「癒し」が道の駅利用者の総合的な満足度評価を構成する5つの因子となっていることが明らかとなった.さらに,道の駅利用者の「総合的な満足度」の評価構造について,個人属性や道の駅のタイプ(施設規模別・道路種類別)ごとに共分散構造分析を適用して分析を行った.その結果,道の駅利用者の「総合的な満足度」の評価構造について,個人属性や道の駅のタイプ(施設規模別・道路種類別)ごとに明らかとなり,道の駅の特性にあった整備を行うことで道の駅利用者の「総合的な満足度」は向上し,道の駅の利用者数を増加させることが可能であると結論付けた.

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