阿部 翔太郎

雪面照明条件を考慮した地上撮影画像上の積雪領域判別手法の検討

力丸 厚、高橋 一義

リモートセンシング技術を活用した積雪に関する研究は、衛星観測と地上観測画像によって実施されてきた。地上観測の場合、照明条件に変動がある画像は積雪領域が正確に判別できなくなる。そのため本論文は、雪面の照明条件を考慮した積雪領域判別手法を検討し、積雪領域抽出精度の向上を図ることを目的とした。
本論文では日陰積雪領域の抽出精度を向上させる判別手法として、局所判別法を提案した。この局所判別法は、照明条件により変動する動的閾値を用いて積雪領域を判別することで、日陰部分の積雪領域が抽出できるようになる。
局所判別法の有用性を検証するため、既往の積雪領域判別手法との比較検証を実施した。検証により、局所判別法は日陰積雪領域の抽出精度が約30%向上しており、照明条件の異なる画像でも80%以上の安定した精度で積雪領域を抽出できることが確認された。
以上の内容から、本論文で提案した局所判別法は既往の判別手法よりも積雪領域抽出精度が向上したと言える。

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