建設構造研究室 石黒一馬

許容応力度設計法と限界状態設計法による合成桁の試設計に関する研究

指導教官 岩崎英治

現在,日本では建設事業に対するコスト削減が求められており,それは橋梁建設においても同じ事がいえる.また日本の設計法は許容応力度設計法を基本とした設計法が長年用いられているのに対し,世界各国では近年合成桁の使用や,許容応力度設計法から限界状態設計法への移行が発展し,設計及び建設が始まりつつある.
現在日本は景気の影響もあり国内の建設事業に対する投資が減少してきている.そうなると海外への建設事業の進出が必要となってくる.しかし,日本では先ほど述べたように未だに許容応力度設計法が使用されており,この橋梁設計法では,世界の橋梁設計法と対等に渡り合えるのかが,不安な点であると考えられる.これからの日本の技術の発展と,世界各国と競争し,生き残るためにも設計法の移行が必要不可欠と考えられるのではないだろうか.
限界状態設計法が多く取り扱われている理由の1つとして,限界状態設計法を用いたほうがより合理的かつ経済的に設計を行えることが挙げられる.今回の研究では許容応力度設計法,限界状態設計法での合成桁の試設計を行い,実際どの程度値に違いがあるか比較を行う.
今回の研究では3径間連続合成桁を対象として試設計を行った.比較は最初に用いた初期の桁断面を考慮し,断面寸法各設計法で照査値に最も近い値まで縮減する.その後照査を行い,各設計法の値がどれだけ異なるか比較を行う.結果は以下に示す.

・限界状態設計法用いたほうが大幅な断面縮減が行えた.
・作用力,照査値に数値的に最も影響を及ぼす部材,箇所は下フランジ幅厚,ウェブ厚だった.

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