ムハマド アリフ ビン ムハマド ユソフ

アスコンのわだち掘れ評価法をシンプルな試験で行うための基礎的研究

高橋 修

アスファルト舗装のわだち掘れ評価法には、ホイールトラッキング試験が用いられている。本研究では、ホイールトラッキング試験に替わるシンプルな試験(一軸圧縮試験)を同じわだち掘れ評価法を使用することによって提案した。
わだち掘れは骨材間のアスファルトバインダーの流動で骨材の配置が変わる事によって起きる。わだち掘れが起こる原因に、交通量の増加が挙げられる。ホイールトラッキング試験はホイールを供試体の上で走らせ、その深さを測定する。実舗装のわだち掘れを再現したものだ。そのため、ホイールトラッキング試験はわだち掘れに対して正確なデータが取れる試験である。しかし、ホイールトラッキング試験において、デメリットがある。それは試験が複雑で時間がかかることである。さらに、装置の値段が高いことも挙げられる。そのため、シンプルで装置が安い、一軸圧縮試験(UCT)を提案した。一軸圧縮試験(UCT)を提案した理由はわだち掘れの起こり方に関係する。アスファルトバインダーが流動してわだち掘れが起こる。アスファルトバインダーが変形し、せん断応力が起こるという意味である。さらに、一軸圧縮試験(UCT)はせん断応力を評価する試験である。そのため、一軸圧縮試験(UCT)を提案した。
使用した混合物は、密粒13と密粒20である。使用したアスファルトバインダーは、ストレート・アスファルト(StAs)で、4.0%から6.5%まで0.5%刻みでAs量を振った。アスファルト舗装の温度は、夏期には60℃にも達する。本試験でも、ホイールトラッキング試験と同じ60℃でセットした。供試体は1:2の直径:高さの割合に作られている。これは通常に圧縮試験で使用される。この比率のせん断応力を見ることは容易である。
本研究において、一軸圧縮試験(UCT)とホイールトラッキング試験を比較した結果、非常に高い相関関係を示した。今回は、混合物の種類が少なかったため、一軸圧縮試験(UCT)がホイールトラッキング試験に置き換わると言う妥当性を得ていない。しかしながら、一軸圧縮試験(UCT)は、ホイールトラッキング試験と高い相関があるため今後の研究により、試験法の確立が期待される。

前のページに戻るには"戻るボタン"で戻ってください。