児玉寛希

地方都市における都市計画に関連した税収の実態に関する研究

中出文平・松川 寿也・樋口秀

地方都市では、昨今の財政難や今後の人口減少に伴い、持続可能なまちづくりを継続するために、自主財源の確保が求められている。そのような中では、特に、市町村税の半分を占める固定資産税による税収コントロールが必要である。
そこで、本研究では、固定資産税を都市計画に関する税収と位置付け、長岡市を対象都市として、その推移と特徴を分析し、実態を把握した。
その結果、税収の基となる課税標準額は、新規市街化区域編入地区では、市街地開発により増加していた。しかし、中心市街地及び周辺の既成市街地では大きく減少しており、これらの地区による減少分が大きいため、長岡市全体では税収が減少する実態が把握できた。
今後の自治体の財政や人口減少の状況を考慮すると、これまで行ってきた市街地拡大型の都市整備では税収の確保や都市施設の維持管理に大きな問題を抱えることになる。自立可能な都市を目指し、税収の確保を念頭に置いた都市経営という概念の導入が必要と言える。この概念により、開発すべき地域やその優先順位が明らかとなり、効果的な市街地開発や税収の確保が可能となると考える。

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