田中 健太

ミクロ交通シミュレーションを用いた大手大橋4車線化の影響評価

佐野 可寸志

 長岡市は、朝や夕方のラッシュ時には交通量が多く、特に東西交通の要である長岡大橋、大手大橋、長生橋の渋滞が目立つ。本研究では、朝の混雑が予想される7:00〜9:00に焦点を当て、大手大橋の4車線化が他の橋や混雑が見られる道路にどれほど影響を与えるのかを調べる。
 まず、ミクロ交通シミュレータソフト:Paramicsを用いて、対象地域内の長岡市の道路ネットワークを作成する。ネットワーク全体で、ノード数1541個、リンク数1909個、ゾーン数229個となった。信号現示に関しては、新潟県警から頂いた2008年10月21日の信号現示データと現地調査により取得したデータを入力した。
 次に、長岡市内の時間帯別OD交通量を求める。ミクロ交通シミュレーションを実行するためには、詳細なOD交通量が必要である。本研究では、道路交通情勢調査(道路交通センサス)を用いて時間帯別(10分ごと)OD交通量を求めた。道路交通センサスからBゾーンと呼ばれる概ね市町村程度の大きさに区分されたゾーンごとに時間帯別OD交通量を抽出する。その抽出したBゾーンごとのOD交通量を、長岡市の土地利用図を基にミクロ交通シミュレータであるParamicsのゾーンに合わせて分配する。また、長岡市の通過OD交通量を求めるために、道路交通センサスから各都道府県別にOD交通量を抽出する。JICA STRADAを用いて全国の主要道路ネットワークを作成し、抽出したOD交通量を高速道路併用多段階配分法で配分し、長岡市を通過したOD交通量を求める。なお、通過交通量は国道17号と国道8号に分配した。
 影響評価は、リンクの所要時間を比較して行う。駅方面に向かうく交通に関しては、大手大橋が4車線化されると以前より大手大橋を通過する交通量が増加するため、長岡駅前に混雑が発生してしまう結果となった。信濃川左岸では、国道8号線から大手大橋に到達するまでの所要時間が短縮し、車両がスムーズに流れるようになった。駅方面から対象地域の外側に向かう交通に関しては、駅前と同様に交通量が増加するため、大手大橋西詰付近で混雑が発生してしまう結果となった。

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