木下 順貴

下流水位の影響を受ける緩勾配河川における水位流量曲線の検討

陸 旻皎  楊 宏選

治水対策及び利水計画には、正確な水位と流量のデータが必要である。しかし、下流水位の影響を受ける緩勾配河川では、低水時における水位と流量の相関が低く、流量の精度が著しく低下している。
今回、対象とした、関川水系保倉川は上越地域の低平地を東から西北西に流れ、関川の河口から約0.5km の右岸に合流する緩流河川である。合流地点から上流の佐内観測所までの長さは3.1kmでありその間の平均河床勾配は1/1266の緩勾配河川である。関川、保倉川では頻発する水害に対して緊急的、継続的な河川改修により治水安全度の向上を図ってきた歴史的な背景を持つ。しかしながら、現在でも流下能力が全川的に不足しており、ハード・ソフト両面からの治水対策を推進していく必要がある。 
現在低水時における佐内観測所の水位と流量の相関が低く、正確な流量の把握が課題となっている。原因として保倉川の勾配が緩く、低水時は関川の影響を受けやすいため、水位ならびに流速にその影響がでていることが上げられる。                
本研究では、観測水位から流量を精度よく計算するために、関川水系保倉川における水位流量曲線の検討を行った。
不等流計算により、上流が下流の影響を受け同じ流量に対して水位が上昇していることが分かった。観測流量と計算流量の比較では、問題となっている低水時の誤差が12.1%と良い結果がでた。今回は、断面と河床勾配を一定とし、下流の水位の変化による不等流計算を行ったので地形の変化に合わせた不等流計算を行うことが課題としてあげられる。

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