�盒彊〕�
大型店立地に伴う市街化誘引に関する研究
中出文平 樋口秀 松川寿也
近年、中心市街地の衰退が問題となっている。原因は、モータリゼーションの進展に伴う市街地の拡散や安価な郊外地価、大型店の郊外立地等があげられる。なかでも、大型店の郊外立地は、大型店立地による開発圧力の高まりにより、周辺の市街化を誘引している可能性がある。そこで本研究は、大型店の郊外立地が市街化を誘引する可能性と課題を明らかにし、大型店立地に伴う市街化コントロールについて提言を行うことを目的とする。
まず、商業統計メッシュデータを用い、昭和54年から平成14年の間に商業集積地として成長した場所を把握した。成長した場所は、郊外で最も多く、全国で540箇所、東日本地域で164箇所の存在が明らかになった。東日本地域から土地利用規制の異なる栃木県小山市、福島県会津若松市、長野県飯田市、長野県山形村を対象都市として選定した。
次に、大型店の立地要因・経緯をヒアリング調査から把握し、大型店周辺の開発実態を空間化・年度別の変遷から分析した。その結果、3都市で市街化の誘引がみられた。区域区分制度が導入されている地域は、市街化調整区域の開発規制が強いため、市街化区域内の開発が多い。また、地区計画の設定による誘導施策で、開発を誘導することができる。一方、非線引き都市計画区域、都市計画区域外の土地利用規制が緩い地域は、店舗、住宅の開発が多く、それを規制する手段を持たない。
これらのことから、大型店の立地に伴い、市街化が誘引されていることが明らかになった。しかし、大型店立地の前に土地利用規制の対応をしている地域は郊外立地の悪影響がみられない。よって、問題は少ないといえる。一方、土地利用規制の緩い地域は、市街化を抑制する手段が無いため、大型店の郊外立地は良好な土地利用を妨げる悪影響を及ぼしている。よって、問題は大きいといえる。
以上の研究結果から、市街化区域・用途地域から白地地域へ開発が流れること、大型店立地に伴う市街化が起こっても、それを抑制する手段が無いことを課題として指摘した。そこで、白地地域から用途地域内へ開発の誘導を行うこととその権力を自治体が持つこと、非線引き都市は用途地域や特定用途制限地域を指定し立地の誘導を図ること、都市計画区域外は都市計画区域の拡大又は準都市計画区域の設定を行うことの必要性を提言した。
前のページに戻るには"戻るボタン"で戻ってください。