堀澤 広太朗

天然ゴムラテックスの蛋白質除去に伴う廃液の処理

山口 隆司



天然ゴムは合成ゴムより優れた物性を有する天然資源であるが,ラテックスアレルギーの抗原である蛋白質が最終的な製品にまで残存してしまうデメリットがある。そのため,天然ゴムラテックスの脱蛋白質化が研究されており,近年,低コスト・高効率で蛋白質除去が可能な手法が開発された。しかし,天然ゴムの脱蛋白質化に伴い,高濃度の界面活性剤 (Sodium Dodecyl Sulfate : SDS) を含有する約100,000 mgCOD甅-1の高濃度有機性廃液が多量に発生してしまう。2回の遠心分離工程からそれぞれ成分が異なる1st廃液と2nd廃液が排出される。排出総量は,得られる脱蛋白質化天然ゴムラテックスの約2倍であり,現状では産業廃棄物として廃棄処分されている。そのため,この廃液を脱蛋白質化施設内で直接浄化処理するシステムが求められている。そこで本研究では,天然ゴムの脱蛋白質化に伴い発生する廃液の処理システムの確立を最終目的とし,水質分析により廃液の特性を知り,各実験から嫌気性処理の適用性の評価と,天然ゴム廃液の処理におけるSDSの影響評価を行った。

バイアルを用いた分解性試験では,1st廃液のメタン転換率が試験開始12日目に約25%に達成し分解性が示唆された。しかし,ラボスケールUASBリアクターによる連続処理実験では,廃液中に残存するゴム分がシステム内で凝固・蓄積するという問題点が明らかとなった。そのため,廃液の前処理としてゴム分除去の必要性が示唆された共に,廃液中のゴム分を回収することにより資源としての利用が可能であることが分かった。
しかし,SDSを高濃度に添加した天然ゴムラテックスはpHを4.8 (ゴム粒子の等電点) に低下させてもゴム分が凝固しなかったことから,廃液中に含まれている高濃度のSDSがゴム粒子の分散状態を強く安定化させることが分かった。pH調整によりゴム分を凝固させるためには,TSが58,000 mg/Lである場合,SDS濃度を100 mg甅-1以下に低減させる必要があることが分かった。
メタン生成活性に対するSDSの影響を調べた結果からは,汚泥当たりのSDS負荷 (SDS/M比,gSDS/gVS) の増加に比例して,メタン生成活性比率が汚泥濃度に関係なくほぼ同じ傾きで減少する傾向があることが分かった。また,メタン生成活性比率を90%以上で維持させるためには,SDS/M比を0.01以下に抑える必要があることが分かった�

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