三谷千晶

地方都市のコンパクト性に関する研究

樋口秀・中出文平・松川寿也

近年、少子高齢化や郊外化による中心市街地の衰退、交通エネルギーの消費の増加など、環境面、経済面の問題が顕著になっている。このような状況において、「持続可能な開発」の観点からコンパクトシティという都市形態に関心が向いている。しかし、どのような状態を目指すのか、具体的な都市を対象とした分析は少ない。そこで、本研究では、地方都市が中心部での集積性をどのように変化させてきたかということに着目して都市のコンパクト性に関する研究を進めた。地域の中心都市であり、一定の都市機能の集積を持つ都市で、区域区分の効果を考察するため、人口10万人前後の30市を研究対象都市とした。なお、使用データは地域統計メッシュの三次メッシュ(1メッシュ=約1km)である。1980年から2000年にかけての人口・従業者数の変化では、ごく一部の都市を除いて、中心部からの機能流出が顕著である。一部、北上や草津、彦根では中心3×3メッシュ範囲が大きくなっている都市では、同時に9×9範囲も大きくなっており、中心部の成長は都市規模の成長と共にある。一方、柏崎市の人口は9×9範囲内では大きく成長しているものの、3×3範囲内は減少しており、従業者数は9×9範囲、3×3範囲共に減少している。このような都市では都心部の人口集積が低下していると判断される。第3章では30市全体でその平均値がどのように変化してきたかを数値で確認した。理論式からは、日本の大都市圏外の中小都市では、人口のドーナツ化現象を起こすまでには至らないものの、中心部の突出した集積が年とともに周辺メッシュに埋もれていくことが明らかになる。都市をコンパクトに保つ条件として想定していたのは地形条件、人為的な計画等による制約であった。そのため、詳細対象都市として、特徴的な4市、佐野市、米沢市、会津若松市、柏崎市を選んで各都市がどのような都市政策を取っていたかを確認した。その結果、都市をコンパ
クトに保つためには、以下のような条件が挙げられる。�〇坡甲呂粒搬腓棒�限を与える地形・地勢、それがない場合は厳格な土地利用規制。��近接都市に引きずられることのないように中心部を保てる都市の独立性の確保。�9眤�道路のIC等、広域交通網による新たな拠点作りのあり方と都心部の計画の統合性。�っ羶管瑤�ら郊外に向かって延びる道路の沿線での小規模開発の規制。

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