高橋 梢

新型採水装置を用いた雨天時道路排水の連続観測と重金属類の流出評価

小松 俊哉,姫野 修司

近年自動車由来の粉塵や不特定な発生源に由来するノンポイント汚染である雨天時道路排水の環境への負荷が,相対的に増大していることが指摘されている.しかし,実態の把握がなされていないために,対策されていないのが現状である.そこで,本研究では,測定に必要な最小限の量を確保することが可能な採水装置を用いた採水を行い,道路排水中に含まれる重金属類を長期的に測定し,様々な降雨パターンにおける流出特性を明らかにすることを目的とした.
雨天時道路排水の負荷を評価するためには一降雨イベントの全量評価が不可欠となる.しかし,一降雨の道路排水全量を採水することは不可能なので,一定分割を行い,降雨終了まで必要量のみを採水することが可能な採水装置の考案・作成を行った.採水装置を排水管に直接接続・設置後,実雨天時道路排水の採水を実施した.道路排水の重金属類の測定は,溶存態,微粒子および懸濁態に分け測定を行った.採水実施中の約4ヶ月間の全降水量は912.5mmであり,そのうち採水を行ったのは約50%の423.5mmであった(N=25,降雨回数では全体の約70%).採水を行ったものの一降雨の降雨量,先行無降雨時間および降雨継続時間の範囲は,それぞれ1〜63.5mm(平均:17.3mm,中間:9.5mm),4〜159時間(平均:44.9時間,中間:38時間),0.5〜168時間(平均:23.9時間,中間:16時間)であった.また,現場付近にて実降水の採水も行い(N=13),雨天時道路排水との比較を行った.
水質測定の結果,雨天時道路排水に含まれる重金属類は溶存態にその多くが含まれていることが確認された.中でも,Cd,Cr,Ni,ZnおよびCuは含有割合が高かった.また,Pb,FeおよびMnは微粒子への含有割合が高かったが,どの元素も懸濁態への含有割合は低かった.そのため,トータル重金属類濃度においては,微粒子および懸濁態の影響を受けにくく,先行無降雨時間の影響による路面への堆積物の影響は小さかった.懸濁態は降雨初期段階で高濃度に流出する傾向が見られたが,降雨継続に伴い濃度減少し,30分程度で流出が終えることが確認された.一方で溶存態は,降雨継続時間に関係なくある程度一定濃度で流出し続けた.また,トータルの汚濁負荷量は降雨量との相関が強かったことから,初期降雨のみを採水対象とした場合には,汚濁負荷量は低く評価してしまうことが考えられた.そのため,汚濁負荷としては,降雨終了までを採水対象とすることでより正確な値を得ることができると考えられた.また,降水濃度と比較した結果,道路排水はZn濃度が顕著に高かった.
雨天時道路排水に含まれる重金属類は,多くが溶存態に含まれており,降雨終了まで流出し続けるために,降雨終了まで溶存態を含めた処理をすることができるシステムが負荷削減対策として有効であると考えられた�

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