西海祥次
顕微鏡撮影による複数の焦点画像を利用した全焦点画像生成手法の検討
力丸 厚
遺物の極小領域を調査するために顕微鏡画像が用いられている。しかし、高倍率になればなるほど被写界深度が狭くなる。そのため、撮影領域全体を調査したい場合、領域全体に焦点を合わせた全焦点画像が必要となる。既存研究では、調査対象物の形状や奥行きなどが既知なため、全焦点画像の生成は容易である。しかし、自然物のように形状や奥行きなどが不定な物を対象とした場合、全焦点画像を生成することは容易ではない。
本研究では、合焦領域は、�“鷙臂芭琉茲鉾罎戞�高周波成分が多く含まれる��局所領域内の輝度値の最大値と最小値の振幅が大きいという2点の特徴に着目して、合焦領域を判別し、全焦点画像生成手法の検討をした。
局所領域内の輝度値の最大値と最小値の差(レンジと呼ぶ)は、空間フィルタを用いて算出した。前処理として、全ての顕微鏡画像の位置合わせとノイズ除去を実施した。その後、フィルタ処理をしてレンジ画像を生成した。さらに、レンジ周辺情報を得るためにレンジを膨らませ、最大値フィルタをかけたレンジ画像を生成した。それぞれ画像同士の明暗を比較し、各最大レンジ合成画像を生成した。累積ヒストグラムより100%を画像の枚数で割った割合以上を合焦領域と判定して選択抽出した。非合焦と判定された領域には各原画像の平均値を用いて全焦点画像を生成した。空間フィルタの設定条件を同一とした場合、50倍の画像では全焦点画像を生成することができた。しかし、100倍と200倍の画像では全体がぼやけてしまい膳焦点画像を生成することはできなかった。この原因として、倍率が高くなると合焦領域と非合焦領域の画素の差が大きくなる。そのため、極小領域に注目することでそこの画素値の高低差やわずかに残っていたノイズによりレンジが変化してしまったと考えられる。
そこで、別の方法として空間フィルタのフィルタサイズを拡大させ、累積ヒストグラムによる判定を行わない手法により全焦点画像を生成できるか検討した。その結果、100倍では31×31、200倍では63×63のフィルタサイズにしたときに良好な全焦点画像を生成することができた。しかし、この手法では50倍の画像は全焦点画像を生成できなかった。この原因として、もともと小さいフィルタサイズのときでも全ての合焦領域をとらえることができた。しかし、フィルタサイズを拡大させてしまうことで周辺の非合焦領域を同時にとらえてしまったと考えられる。本研究ではできなかったが、提案した2つの手法を組み合わせればより良い結果になるだろう。
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