佐藤 光

レーダー降水量の地上観測値補正に対する観測点水平密度の影響について

熊倉 俊郎

気象庁のレーダー・アメダス解析雨量に代表される補正レーダー降水量は、気象レーダーに地上観測降水量を空間的に内挿する事で導出される。平成16年新潟・福島豪雨の事例では、観測点密度を増した方が補正の際に発生する誤差は小さく算定されるという結果が示され、地上観測点の水平密度は補正の際に重要な要素となると考えられる。さらに、レーダー降水量の補正の際に観測点密度より起因する誤差を把握する事は、補正を行う際に有用な資料となる。
本研究では、地上観測降水量に対する補正レーダー降水量の誤差の指標としてRMSEを求める。その際に新潟豪雨での事例と比較し、観測点数が増える事でRMSEがどの様な傾向を示すのかを見る。また、レーダー降水量の補正の際に、観測点密度を反映した補正がされているか見る為に地上観測点密度に関わる影響を定量的に求めた。
RMSEは、地上観測降水量データの品質管理前では観測点を増やしても大きくなったが、品質管理後では小さくなり、新潟豪雨の事例と同様の傾向となった。この結果より、補正の際に悪影響を及ぼす観測点の除去は必須である事が分かった。また、観測点密度を補正時に用いなかった時の影響の水平分布を求め、観測点密度が増した方が影響は小さくなる事が分かった。

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