kan06101

勝島　隆史

新しい液水流下過程を取り入れた積雪モデルの開発

熊倉　俊郎

新潟県などの本州の日本海側地域は豪雪地帯であり、標高の低い地域においても多量の積雪が冬季に発生する。しかし、これらの地域では比較的温暖なために、真冬でも融雪や降雨が多く発生し、積雪内への水の浸透が多く発生する。一方で、これまでの研究において、積雪中の水分移動過程には、水みちを通る不均一な浸透が存在することが示されている。しかし、これを取り入れた積雪モデルは開発されていない。

本研究では、これまでに開発された積雪モデルで使用された水平方向に均一な浸透を考慮した場合の、適用性について検証を行った。そして、水みちの効果についてパラメタリゼーションを行い、その効果をモデルに取り入れ、水分移動過程の再現を行った。

その結果、これまでに用いられた均一な浸透を考慮した場合では、実際の現象を再現できないことが分かった。一方で、水みちの効果を考慮する事によって、水分移動過程および積雪層内のざらめ雪の層の位置とその厚さを再現する事が可能になり、これまで再現する事ができなかった温暖な地域での積雪を、積雪モデルにおいて再現する事が可能となった。

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