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宮川　果奈

気泡混合軽量土の針貫入試験に関する研究その２

海野　隆哉

　針貫入試験は、気泡混合軽量土に針を貫入して、先端抵抗をもとに一軸圧縮強さを推定するものである。昨年度、島により行われた針貫入試験では、一軸圧縮試験用供試体を用いていたことから、針を十分に貫入することはできず、またφ10mm以上の針を貫入させると供試体に割裂が生じる場合があった。そこで本研究では、供試体サイズを変更して、貫入量を増加させた場合の貫入抵抗力を評価し、さらに精度良く一軸圧縮強さを推定するための針貫入試験の試験方法を決定することを目的とした。さらに、ポータブルコーン貫入試験を参考に、試験装置を改良し、原位置における針貫入試験の適用性について検討した。

　はじめに、貫入量の検討に先立って、ブロック供試体が割れないような、また貫入抵抗力が隣の針貫入跡の影響を受けないような針貫入間隔を検討した。貫入間隔が決定したところで、目標一軸圧縮強さqu28=500kPa、1500kPaの供試体を用いて、貫入量を貫入針の最大貫入量である30mmとして針貫入試験を行ない、貫入抵抗力の評価方法・試験方法を決定した。決定した針貫入試験方法に従い、底部圧壊型供試体の針貫入試験を行なった。玉尾の研究結果より、単位体積重量の小さな配合の供試体は、下部ほど含水比が増加していることがわかっている。このことより、下部ほど水セメント比は小さく、局所的に強度が低下していると推測される。そこで針貫入試験を適用し、供試体鉛直方向の強度分布を明らかにした。さらに針貫入試験の応用として、ポータブルコーン貫入試験を参考に試験装置を改良し、原位置における針貫入試験の適用性を、一軸圧縮強さと先端抵抗の関係から検討した。

　本研究で行った針貫入試験の結果、以下のような知見が得られた。
(1)貫入抵抗力に影響を与えないような針の貫入間隔は20ｍｍ以上である。
(2)貫入深さを大きくすると、貫入抵抗力－貫入量関係図において第二直線部のばらつきが大きくなるため、変曲点の現れたところを貫入抵抗力として評価する。
(3)針貫入試験を適用し、容器底面に接して採取された圧縮試験用供試体は、下部ほど弱いことを証明した。
(4)針貫入試験を応用し、原位置針貫入試験によって求められた針貫入抵抗力は、島が提案する推定式に近い値を示すことがわかった。これより、原位置における針貫入試験の適用の可能性が示された。