橋本和典
中越地震の孤立集落と道路網の代替性に関する研究
松本昌二,佐野可寸志,土屋哲
平成16年10月23日17時56分頃に新潟県中越地方でマグニチュード6.8(暫定)の地震が発生し、最大震度6強を観測した。これにより山間部で土砂災害を引き起こし、多くの交通止め箇所が発生し、61個の孤立集落が発生した。
道路網は出発地点から目的地までの最短経路が途絶しても代替ルートがそれに代わる経路としてそれをフォローする代替機能が存在する。この性質は経路代替性指数として評価されている。山間部のような地域では安全な平地までの脱出経路をより多くもつ代替性の高い集落が孤立の危険性が低いと思われる。
そこで本研究は、被害の大きかった旧山古志村の集落を対象として、経路代替性を算出し、集落の孤立危険性を評価する。本研究では出発地を集落、目的地を安全であると考えられる国道に設定する。そのため1つの出発地に対し目的地は複数存在する。さらに無数の経路を数え上げてしまうため、経路代替性算出時に経路距離の最大値として制限距離を設定し、それ以内の経路を対象経路とする。次に経路代替性の面から個々のリンクの重要性を評価するために、そのリンク途絶が代替性減少にどれだけ影響するのかを影響度として算出する。最後に実際の被害状況から、本来の経路代替性に近づきやすい復旧優先度の検討を行う。
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