繁田慶一

日本における路面電車の現状分析及び発展可能性についての研究

松本昌二,佐野可寸志


 本研究では日本の路面電車の現状を把握し、英仏のLRTとの違いを比較することを目的し、検討を行った。日本の路線においては全体的に併用軌道の路線が多く、このような路線においては表定速度が遅くなっている。英仏の路線は全体的に表定速度が速くなっている。このような状況においては、運行頻度の増加による乗車人数の増加がうかがえた。日本と英仏でこの運行頻度の増加による弾性値変化の比較を行った。1日当りの乗車人数では共に運行頻度の増加による弾性値の増加はみられたが、1q当りの乗車人数ではイギリスとフランスのみ弾性値が増加している傾向がうかがえた。1q当りの乗車人数の弾性値が増加するということは、単に乗車人数が多くなるというだけでなくトリップ長が長いということがいえるため、イギリスとフランスにおいては全線での利用数が増加しているということがわかった。